登録ユーザー数2億人、世界最大規模のSNS「MySpace」
登録ユーザー数2億人を誇る巨大SNS「MySpace」。日本を含む29の国と地域、言語でサービスを展開している。自由にカスタマイズが可能な『プロフィールページ』を軸に、多くのアーティストやクリエイターが積極的にプロモーション活動を行っている。
そのMySpaceが今年3月にオープンした開発者向けのアプリケーションプラットフォームが「MySpace Developer Platform(MDP)」だ。開発したアプリケーションを全世界のMySpaceユーザーに向けて公開することができる。ユーザーは、その中から気に入ったものを各アカウントにインストールすることで、アプリケーションで遊んだり、自身のプロフィールに表示したりすることが可能になる。日本ではまだあまり活用事例が無いが、既に海外ではMDPでのアプリケーション配信だけで月間1億円以上を稼ぎ出している会社があるという。
10日、東京ゲームショーで行われた「SNSを通じたゲームコンテンツの新しい流通モデル」説明会では、MDPのアプリケーションプラットフォームとしての魅力を紹介するとともに、MDPを活用した開発の成功モデルとしてYou Plus Inc.のCEO Dan Yue氏が登壇し、開発の経緯を語った。
MySpace Developer Platformの仕組みとは?
MDPは、サードパーティアプリケーション開発者がMySpaceのデータや機能を利用できるようにする、一連のサービス。OpenSocialに準拠しており、JavaScriptやFlashでのアプリケーション開発ができる。RESTful形式のAPIを通じてMySpaceの公開ユーザー情報を取得、表示できるほか、外部APIをマッシュアップすることも可能となっている。レスポンスデータのフォーマットはXMLとJSONを選択することができる。
アプリケーションのインターフェースは「キャンバスページ」と呼ばれる専用スペースに作成する。コードの実行やUIのレンダリング、広告を表示することもできる。
MDPがオープンしてわずか半年で、アプリケーションの総インストール数は5000万を突破、20万人以上のユーザーにリーチしており、全ての指標で毎月30%以上の成長を記録しているという。ユーザーがユーザーを呼び、全世界規模のバイラル効果による爆発的な認知度向上がMySpaceの大きな魅力だ。
MDPにおいて収益を上げる方法は2種類ある。1つは、ユーザーからの直接課金、もう1つは広告収入だ。前述の通り、アプリケーションキャンバス内には成果報酬型の広告を挿入することが可能で、広告会社のOfferpal Mediaでは専用のIFRAMEを用意しており、統合も簡単にできる。Offerpal Mediaの提供する成果報酬型広告は$100 eCPM(広告1000回表示、または1000PVあたりの収益額)と非常に高い利益率を誇り、これはGoogle Adsenseの$1 eCPMをはるかに上回る数値だ。
これらを踏まえた上で、MySpaceのプロダクト部門シニアバイスプレジデントであるTom Andrus氏は「MySpaceをプラットフォームとして利用することで、新規企業、個人、学生でも収入を得るチャンスがある。また、既に成功している会社でも、宣伝や体験版を掲載するといったビジネスモデルも存在する」と語る。
また、3月にオープンしたばかりなので、まだ成功している開発者は少ないものの「既に多くの収入を得ている『You Plus』という会社もある。全ての開発者にMySpaceのプラットフォームを試していただき、成功していただきたい」と開発者に向けてメッセージを発した。