リクルートとサン・マイクロシステムズは19日、マッシュアップによるWebサービスのコンテスト「Mashup Awards 4th」の受賞作品を発表した。
リクルートとサン・マイクロシステムズは19日、マッシュアップによるWebサービスのコンテスト「Mashup Awards 4th」の受賞作品を発表した。
Mashup Awardsは、協力企業が提供するWeb APIなどを利用した新しいWebサービスのアイデア作品を募るコンテスト。今年で4回目の開催となる。今回は応募総数259作品の中から、優秀賞を獲得した5作品のオーナーが会場でプレゼンテーションを実施。その結果、最も多くの票を獲得した「Chamap」が最優秀賞に選ばれ、賞金100万円を手にした。
最優秀賞「ChaMap」
最優秀賞に選ばれたKentaro氏の作品「ChaMap」は、地図上でチャットができるWebサービス。地図の上でマークした場所にメッセージを入力することができ、音声読み上げ機能によってメッセージが読み上げられる。また、一定のズームレベルを超えると飲食店などのアイコンが表示され、これらの店舗情報付きで発言することもできる。
このように、地図上で情報を共有しながらコミュニケーションできるのがChaMapの特徴だ。「Webサービスで取得した情報を組み合わせて表示するというのは2007年度の段階で既に出尽くしていたので、表示された情報をどうすれば活かせるかを一歩進めて考えてみた」とKentaro氏が語るように、食事会の場所を決めるといった意思決定ツールでの地図とチャットの利用、場所を起点とした人との出会いなど、プラットフォームとしての新しい可能性を持っている。また、UIなど総合的なレベルの高さも受賞のポイントとなった。
Technology賞「Newsgraphy」
Technology賞を受賞したのは、浜本階生氏の作品「Newsgraphy」。このWebサービスでは、Yahoo! JAPANで報道されるニューストピックを蓄積し、「地図」として可視化する。Mashup Awards以前から既に大量のはてなブックマークが付き、話題を呼んでいた。
Newsgraphyでは直感的なUIを使って、話題になっているニュースの分布を俯瞰できるほか、時間軸をずらしていくことでニュースの動きを振り返ることができる。また、新機能としてアニメーション機能が搭載されたことで、リアルタイムでニュース分布を再構成し時系列でニュースを追えるようになっている。新しい情報の見方を示唆し、高い評価を得た。
Business賞「モバロケ」
Business賞を受賞したクリエイトシステムの作品「モバロケ」は、PC、docomo/au/Softbankの携帯電話3キャリア、iPhoneに対応したWebサイトを、携帯電話だけで簡単に作れるサービス。登録時に設定した住所から緯度経度を算出し、Googleマップやホットペッパーのクーポンが使える店、天気、駅といった様々な周辺情報と連携する機能を持っている。サイト構築時にはSEO対策としてキーワードを設定することもできる。携帯ユーザが急増するなか、携帯だけで始められる実用的なサービスという点が高く評価された。
その他、自分のブログ内の言葉を分析し、今まで気づかなかった感情や性格を発見できるブログパーツサービス「emo - ブログを書いたら自分がわかった!」、22ものWeb APIを利用してつくられたクロスワードゲーム「MASHUP×CROSSWORD」が、それぞれ優秀賞を獲得した。
サン・マイクロシステムズの新規ビジネス開発本部 テクノロジー・マーケット&コミュニティ開発統括部統括部長 藤井彰人氏は「今回の特徴として、単なるAPIの寄せ集め的な作品が減り、学生や地域といった利用シーン、利用目的がしっかりした実用性の高いものが多くなった。また前回までは、個人や親しい友人同士のチームによる作品が大多数を占めていたが、企業や企業内のプロジェクトチームからの応募作品が数多くあった。デザインもかなり洗練された作品が多くなったほか、OpenIDに対応したアプリケーションも増え、ユーザーの利便性が向上している」と今回の総評を述べた。
【関連リンク】
・Mashup Award 4th結果発表
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