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渋谷テクニカルナイト講師陣が語る新技術動向(AD)

はじめて使うJazz (4)
― ビルド環境の構築

渋谷テクニカルナイト講師陣が語る新技術動向 第6回

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3)ビルド定義の作成

 いよいよ本題です。

  ビルド定義では、次の項目を設定します。

  • 利用するビルド・エンジン
  • ビルド対象となるストリーム
  • ビルド用のリポジトリー・ワークスペース
  • リポジトリー・ワークスペースと連動するローカルの作業領域

 さきほど、ビルド・エンジンがJazzチームサーバーのクライアントであることは説明しました。皆さんがお使いになるRTCクライアントと同じです。ストリーム、リポジトリー・ワークスペース、ローカルの作業領域等々、すべて皆さんがRTCクライアントをお使いになるときに指定するものばかりです。ビルド定義だからといって構える必要はありません。

 [チーム成果物]ビューでツール表示を展開後、[ビルド]を選択し右クリックすると図6のようになります。

図6
図6

 ここで、[新規ビルド定義]を選択すると、新規ビルドを作成するチーム・エリアを確認するダイアログが現れた後で、図7のダイアログが表示されます。

図7
図7

 ここで、[Ant - Jazzビルド・エンジン]を選択します。

 ビルド対象を管理しているSCMのエンジンとして、[Jazzソース管理]を指定します。

図8
図8

 いくつかダイアログでパラメータの設定を問われますが、今日のところは全部チェックして進めましょう。最終的には、図9のような[ビルド定義]のビューが現れます。

 チームでは複数のビルド定義を持つことができます。このビューでは、どこのチームで定義されたビルドか、このビルドで使うビルド・エンジンが何か、このビルド定義の識別用のIDは何かが提示されています。

図9
図9

 さて、もう少し設定すべきものがあります。ビルドスケジュール、ビルドで利用するリポジトリー・ワークスペース、ビルドで利用するANTのスクリプトファイルが必要です。それらを順に指定していきましょう。

 [ビルド定義]ビューの下にタブが並んでいます。[スケジュール]を選択すると、図10が表示されます。

図10
図10

 継続的統合では統合ビルドを繰り返すことでチームのリズムを作ります。そのスケジュールをこのビューで設定します。次に、[Jazzソース管理]タブをクリックしてください。

 図11のビューに変わります。

図11
図11

 [ビルド・ワークスペース]-[ワークスペース]と、[ロード・オプション]-[ロード・ディレクトリー]の欄は空白になっていると思います。前者はビルド・エンジンが利用するリポジトリー・ワークスペース、後者はそれと連携するビルド・マシン側のローカルの作業領域です。前者では対象となるリポジトリー・ワークスペースを選択(あるいは新規に作成)して、リソースの元となるストリームを関連づけていきます。このあたりのステップは、RTCクライアントで皆さんがリポジトリー・ワークスペースを作るときと同じ手順で進みます。

 ただし、この手順の途中で、図12のダイアログが出てくることがあります。

図12
図12

 ビルド定義作業自体は、ビルド用のライセンスを割り当てられていない人もできますが、それを利用した日々のビルド作業は、ビルドライセンスが必要となります。同様に作業領域の所有者を合わせておく必要があります。

 そこで所有者が合っていないと、この警告が表示されます。

 所有者を変更するために、[ワークスペースを開く]を選択し、ワークスペースの所有者を変更しておきましょう。

 次にAntのビルドスクリプトを指定します。図13をご覧ください。

図13
図13

 前述したJDTを利用して作成したAntのファイルの場所を指定します。ビルド定義では、関連づけられたリポジトリー・ワークスペース(この例であれば、「HelloJazzWorld チーム ビルド ワークスペース」)から、ビルド・エンジンが稼働する作業領域(「fetched」)へとリソース(Eclipseプロジェクト「HelloJazzWorld」)をロードしてビルド作業を行います。このため、ビルド・ファイルの場所の表現は図に見られるように「fetched/HelloJazzWorld/build.xml」となります。

 ここまでで、チームで共有するビルド定義の作成が終わりました。

 開発者の日々の作業では、ビルド・システムに対して、ビルド作業を「リクエストする」ことで統合ビルドが進みます。ビルド・システム側は、先に起動して、リクエストが来るのを待っている必要があります。

次のページ
継続的統合環境で、チームの「今」を知る

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この記事の著者

藤井 智弘(フジイ トモヒロ)

日本アイビーエム株式会社 ソフトウェア開発研究所 Rationalエマージング・ビジネス・サービス。ソフト開発ってホントはもっとおもしろかったはず!という思いのもとで、”管理管理!”でも”開発者の自由!”でもなく、その程よいバランスこそが解と、啓蒙活動...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/3666 2009/03/23 14:00

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