はじめまして。lizanこと周礼贊(しゅう れいさん)ともうします。このたび、「セキュリティ&プログラミングキャンプ2009」(通称:セプキャン)のレポートを書くことになりました。よろしくお願いします。
まずは簡単な自己紹介から。私は、プログラミングや情報セキュリティ技術が大好きなごく普通の大学生です。高校時代には、日本情報オリンピックやパソコン甲子園に参加していました。大学に入ってからは、ACM/ICPC(国際大学対抗プログラミングコンテスト)などのプログラミング大会や、まっちゃ445などのセキュリティ勉強会にも参加しています。
この連載では6回にわたって「セキュリティ&プログラミングキャンプ2009」の様子をお届けする予定です。セキュリティ&プログラミングキャンプの魅力を少しでも多くの方々にお伝えできればと思います。そして、来年度からこのキャンプにより多くの方々が応募していただけるとうれしいです。
“セプキャン”ってなんだ?
「セキュリティ&プログラミングキャンプ」の概要については、公式サイトをご覧ください。もともとは「セキュリティキャンプ」でしたが、2008年度にプログラミングコースが新設され、「セキュリティ&プログラミングキャンプ」となりました。名前が長いので「セプキャン」の略称で通っています。キャンプに参加した学生のことは「キャンパー」などと仲間うちで呼んだりしています。もちろん、私もキャンパーです。私はセキュリティキャンプ2007に一般参加後、セキュリティ&プログラミングキャンプ2008では、プログラミングコースのチューターとして参加しました。
公式サイトでは、セプキャンの最も大きな目的として「高度IT人材の早期発掘と育成」が挙げられています。厳しい選抜を潜りぬけた学生たちには4泊5日分の食事と宿、そして何より一流の講師たちによる講義が無償で提供されますが、これもすべて「高度IT人材」への投資なのだと思うと、気持ちがひきしまります。
キャンプの表の狙いが「高度IT人材の早期発掘と育成」ならば、裏の狙いは「人脈作り」です。実行委員長の三輪さんは「キャンプで講師やチューターを含めた新たな人脈を作ってほしい」とおっしゃっています。三輪さんのおっしゃる通り、キャンプでは学生同士だけではなく、キャンプの先輩であるチューターや、普段は交流することができないような講師の方々と直に交流することができます。もちろん、キャンプでの交流から作った人脈をその後どうやって生かすかはそれぞれの学生次第ですが、ほかにはない「機会」を与えられるという点で、とても恵まれた環境だと思います。
いつもと違う開講式
交流が大事とはいえ、最初はみんな緊張してしまいます。私もそうでした。しかも、プログラミングや情報セキュリティ技術が好きな学生というのは、ほかの学生に比べてちょっとコミュニケーションが苦手そうなイメージがあります。私もそうです。
そんな学生たちのために、今年はたくさんの工夫がありました。今年から新しく始まった企画のひとつが、開講式前のランチミーティング。ここでまずチューターや学生同士が初顔合わせを行ったようです。残念ながら取材しそびれてしまいましたが、私がついたときはすでに、会場はうちとけた雰囲気でした。私が知る限り、開講式といえば、全国から到着したばかりの学生たちが、荷物もほどかず、緊張した面持ちで席に座っているのがお決まりの光景だったのに!
また、去年は1回しか行われなかったBoF(Birds of a Featherの略で、特定のトピックに興味を持つ有志による集会のこと)も、今回は初日と4日目の2回にわたって行われました。初日のBoFでは、抽選によって座席を決めた後、天野講師の主導で、お互いに自己紹介をし、それぞれの意気込みを寄せ書きにしました。寄せ書きには「世界征服」「最高の言語を作る」など、共感できるフレーズから、思わず吹き出してしまうものまでさまざまな意気込みが書き込まれていました。
寄せ書きの後に行われたのが名刺交換ゲーム。最近の学生たちの多くは、自分の名刺を持っています。大人と一緒です。といっても、私が初めてキャンプに参加したとき、私は名刺を作っていませんでした。みんなから名刺をもらうばかりで、申し訳なくて、とても残念な気持ちになったのを覚えています。今回は、名刺を持参しなかった人も参加できるようにと、会場の後ろに手書き名刺作成所が設けられました。いちばん多く名刺を交換したという参加者は、なんと85枚も名刺を交換したそうです。参加者が全部で61名だから、参加者ほぼ全員とさらにチューター・講師のほとんどと名刺を交換したことになります。交換した枚数がもっとも多かった2人には、景品が出るというおまけつきです。
寄せ書きや名刺交換といったアナログなコミュニケーションはキャンプならではのイベントです。今年は特に、初日からこういったイベントが設けられたことによって参加者の交流がかなり促進されたのではないかと思います。