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業務アプリケーションにも浸透が進むオープンソースソフトウェア

オープンソースのCRM「SugarCRM」、ERP「Compiere」、BI「Pentaho」

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2009/09/22 14:00

 最近、オープンソース化の流れは、システムのベースに近いところだけでなく、従来は商用のアプリケーションが中心だった業務アプリケーションのレイヤにも浸透しつつあります。この記事では、代表的なオープンソース業務アプリケーションを例に挙げて、業務アプリケーションのオープンソースソフトウェアについて解説します。

目次

業務アプリケーションのオープンソース化の流れ

 オープンソースソフトウェアというと、LinuxやMySQL、Apache HTTP Serverなどを思い浮かべる方も多いと思います。これらのソフトウェアは、非常に多くの場面で使われていて、多くのシステムを支える基盤として稼働しています。これ以外にも、OS、データベース、ミドルウェアなどシステムのベースとなる部分で、非常に多くのオープンソースソフトウェアが公開され、多くのシステムで活用されています。これらのアプリケーションも、公開当初は品質やサポート体制への不安などからなかなか現場には受け入れられませんでしたが、今では非常に多くの環境で利用されています。

 最近、オープンソース化の流れは、OS、データベース、ミドルウェアなど、システムのベースに近いところだけでなく、さまざまなレイヤに浸透していっています。その流れは従来商用のアプリケーションが中心だった業務アプリケーションのレイヤにも少しずつ浸透しつつあります。この記事では、代表的なオープンソース業務アプリケーションを例に挙げて、業務アプリケーションのオープンソースソフトウェアについて解説します。

 ここでは、営業の社員がお客さんにコンタクトして受注して、それを出荷して、最終的にはその活動を分析するような流れの中で利用できるアプリケーションとして、CRM/SFAの「SugarCRM」、ERPの「Compiere」、BIの「Pentaho」を取り上げます。

SugarCRM(シュガー・シーアールエム) ― CRMツール

 顧客や商談の情報はExcelなどで管理され、どの顧客にどの営業がいつアプローチしたかは営業の手帳の中にだけある、というようなことは結構あるのではないでしょうか? 顧客情報が管理されていないと、この顧客とは以前どんな商談があったかなどを探し出そうとしてもうまく検索できなかったり、顧客にアプローチしてみたら、実は他の部署の営業が別の案件でアプローチしていることを顧客の担当者から知らされるというようなことが起こってしまいます。これを管理するアプリケーションがCRM(Customer Relationship Management)ツールです。ここでは、オープンソースのCRMツールとして、SugarCRMを取り上げて説明します。

 SugarCRMとは、米国SugarCRM社が中心となって開発を進めているCRMツールで、その中の基本的な機能は、オープンソースソフトウェアとして公開されています。

 オープンソース版のSugarCRMは、Sugar Community Editionと呼ばれ、日本語化されたものは、オープンソースCRM株式会社のWebページから入手することができます。

 SugarCRMは様々な機能を持っていますが、ここではSugar Community Editionが持つ代表的な機能を紹介します。

  • 取引先管理:
  • 顧客の会社情報を管理します。また、この顧客の会社に所属する人は取引先担当者として管理し、この取引先情報と関連付けることができます。

  • 見込み顧客管理:
  • 見込み顧客の情報を管理します。商談が始まるなど取引が始まったら、見込み顧客(リード)を取引先や取引先担当者にコンバートすることができます。

  • 商談管理:
  • 顧客との商談を管理します。この情報に取引先・取引先担当者や顧客とのミーティングを関連付けることができます。

  • 問い合わせ管理:
  • 顧客からの質問事項を管理します。この情報にも取引先や商談などを関連付けることができます。

 また、カレンダーのタブをクリックし、ここで予定を管理することもできます。このときに、顧客と面会するときは取引先、特定の商談に関係するときは商談というように関連するデータを関連付けることにより、日々の活動が自然と顧客の情報に関連付ける形で蓄積されていきます。このように、顧客に関連する情報をきちんと管理していくことにより、誰がどのタイミングでどのような理由で顧客にアクセスしたかをきちんと管理することができます。

SugarCRMの稼働環境
SugarCRMの稼働環境

 SugarCRMはPHPで記述しされていますので、PHPがインストールされている必要があります。また、Webアプリケーションとして動作しますので、Apacheなど、PHPと連携できるHTTPサーバが必要です。

 データベースは、SugarCRM Community Editionでは、MySQLをサポートしています。

SugarCRMのコミュニティ

 SugarCRMは、活発なコミュニティを持っていることも一つの大きな特徴です。SugarCRMでは、フォーラムやプロジェクト共有サイトなどを提供しています。以下がフォーラムのURLです。

 英語フォーラムでは、全世界のエンジニアが積極的にSugarCRMに関して議論を進めています。次期バージョンに入る機能の仕様に関する議論や次のパッチに入れてほしい修正のリクエストもフォーラムで進められるため、SugarCRMの最新状況を得たい方はこちらをウォッチしてみてください。英語での議論は敷居が高いと思う方は日本語のフォーラムをご活用ください。

 また、SugarCRMでは、SugarForgeという名前のプロジェクト共有サイトがあります。

 SugarCRMでは、プラグインを利用してSugarCRMに機能を追加することができます。SugarForgeでは、さまざまなプラグインが公開されていますので、ここで自分に必要な機能を取得してSugarCRMの機能を拡張することができます。


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修正履歴

  • 2009/09/15 15:45 OSS版の機能紹介のところにエディション名を記載、有償版の追加機能を追記

著者プロフィール

  • 河村 嘉之(カワムラ カズユキ)

     1999年にメーカー系ソフトウェア開発会社に入社。サーバ・サイドJavaを中心にさまざまな開発プロジェクトに携わった後、オープンソース・プロジェクトを中心に新技術の調査を担当する。2008年にオープンソースCRMに移籍し、現在はオープンソースのCRMソフト「SugarCRM」を核にしたビ...

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