SQL Azure
SQL Azureは、クラウド上のリレーショナルデータベースサービスで、SQL Server技術を基盤としています。
特長としては、高可用性やスケーラビリティに富み、SQL Serverで使用されているTransact-SQL(T-SQL)のサブセットがサポートされ、主要なSQLステートメント、ビュー、ストアドプロシージャ、トランザクション、カーソル、トリガなどが使用可能です。
アクセス方法としては、従来のADO.NETやODBCドライバを使用できます。加えて、PHP用ドライバもMicrosoftにより提供されています。
このように、SQL Azureは簡単に言えばクラウド上のSQL Serverと言えるため、開発者は今までSQL Serverで身に着けたスキルやノウハウの多くを、そのままSQL Azureでも役立てることができます。
現時点では、SQl Azureには、Web EditionとBusiness Editionの2つのエディションが用意されています。次の表が示すとおりエディションごとにデータベースサイズの上限が異なります。
エディション | データベースサイズ上限 |
Web Edition | 1GB |
Business Edition | 10GB |
なお、SQL Azureの詳細については、前連載の第5回をご覧ください。
AppFabric
PDC09において新しく発表されたAppFabric(正式名は、Windows Azure platform AppFabric)とは、簡単に言えば、オンプレミスのWindows Server 2008とWindows Azure上のクラウドサービスの連携をサポートするアプリケーションサーバーです。以前、.NET Servicesと呼ばれていたサービスが統合されており、.NET Servicesの一部であったサービスバスやアクセスコントロールの機能や、その他ワークフローなどの機能で構成されています。
現在、Windows Azure platform AppFabric SDKが公開されており、ダウンロード可能となっています。
Microsoft Pinpoint
PDC09において、Microsoft Pinpoint(以降、Pinpoint)という新サービスが発表されました。このPinpointとは、オンライン上でアプリケーションやサービスを販売するマーケットプレイスです。
図2を見ると分かるように、PinpointのサイトではIT企業、アプリケーション、サービスがカテゴリー別に分類されており、ユーザーは自分の望むサービスなどを検索して購入したり、企業に発注したりすることができます。
2010年1月現在、英語版のみで米国、英国、インド、オランダの4カ国のデータに対応しています。将来的には、日本語版や日本の地域データへの対応もされる予定です。
コードネーム「Dallas」
コードネーム「Dallas」は、やはりPDC09において発表された新サービスで、上記のPinpointマーケットプレイス上で政府や企業などが所有する膨大なデータを無料や有料で購読し利用することができます。言わば、データのマーケットプレイスです。
現時点では、DallasはCTPリリースとなっており、使用するためには招待コード(invitation code)が必要です。Dallas Developer PortalからWindows Live IDでサインインし、その後に出てくるDallasのSign-Up画面にある「Click here to request an invitation code」のリンクをクリックします。「Request: Invitation code for Microsoft Codename 'Dallas' CTP1」という件名でメール作成画面が開きますので、このメール画面のメールアドレス宛に招待コードのリクエストを送ると、数日中に招待コードが自分のメールアドレスに送られてきます。その後、再びDallasのSign-Up画面で招待コードや氏名などの他の情報を入力し[Sign Up]ボタンをクリックするとアカウントが作成され、Dallas Developer Portalにサインインができるようになります。
図3は、実際にDallas Developer Portalにサインインし、カタログ画面を表示したものです。NASAが提供している画像データなどが無料で購読できることが分かります。