米Microsoftは9月15日(現地時間)、次期Webブラウザ「Internet Explorer (以下、IE) 9」のベータ版を公開した。
IE9 Betaは、バージョン8までのIEの方向性を改め、シンプルで高速なWebブラウジングというGoogle Chrome以降のモダンブラウザのトレンドに照準を合わせている。新開発のJavaScriptエンジン「Chakra」による速度改善に加え、GPUを利用したハードウェアアクセラレーション機能を搭載し、グラフィックスや動画処理性能が格段に上昇。外観では、アドレスボックスと検索ボックスを統合した単一の「ワンボックス」(Chromeにおける「オムニボックス」)や、ピンによるタブの固定機能を追加。ステータスバーを廃し、必要に応じて表示される「通知バー」や、頻繁に利用するサイトのサムネイルが表示される「新しいタブ」ページなど、流行のインターフェースを積極的に採用している。
Canvasやvideoタグ、Web FontsなどのHTML5対応も進められており、プラットフォームプレビュー時から提供されていた「Internet Explorer 9 Test Drive」では、競合ブラウザをモンスターに見立てたパックマン型のゲーム「Browser Hunt」や、ボールが増殖する「Canvas Pinball」など、10のデモンストレーションが追加されている。
Web標準への準拠の度合いを検査する「ACID3」テストでは95点をマーク。IE9への着手を発表した2009年11月のPDCで公表された32点から比べると、1年間での進歩の大きさをうかがわせる。
なお、IE9 betaは既存のIEへのアップデートとしてインストールされるため、IE8以前との共存はできない。アンインストールする際には、コントロールパネルの[プログラムと機能]から[インストールされた更新プログラムを表示] - [Windows Internet Explorer 9]を選択する。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です