@ITとアールラーニングは共同でWebアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」(以下、RoR)の技術者認定資格制度を企画し、19日にRails技術者認定試験運営委員会を設立した。メディアと組んで実施されるIT技 術者認定資格としては国内初の試み。
@ITとアールラーニングは共同でWebアプリケーションフレームワーク「Ruby on Rails」(以下、RoR)の技術者認定資格制度を企画し、19日にRails技術者認定試験運営委員会を設立した。メディアと組んで実施されるIT技術者認定資格としては国内初の試み。
委員長にはアイティメディア株式会社 @IT編集長の三木泉氏、株式会社アールラーニング 代表取締役の庄司貢一郎氏の両名が就任。テクニカルアドバイザーとして増井雄一郎氏と松田明氏がサポートする。
「RoRの海外での盛り上がりに比べ、国内のビジネス利用はまだ追随できていないように感じる。メディアでの露出や国内実績の不足が一因ではないか。今回の試みで国内のRoR利用の活性化の一助としたい」と認定資格への期待を語る、松田氏。
@IT 三木氏は、「昨今ITにまつわるネガティブな話題が多いが、新しい動きも確実にある。今後メディアには、流行を取り上げるだけでなくムーブメントを起こすことが求められるのでは。ただ読まれるだけではなく、読者にアクションを起こさせるようなコンシュマー・アクショナブル・メディア(CAM)実現の一環として、新ポータルサイト『Rails Hub』では認定試験のサポートを目玉コンテンツとして考えている」と媒体の立ち位置を説明した。
「Rails Hub」のコンテンツ作成のリーダーは、Ruby系の技術記事でも定評のある@IT 副編集長の西村賢氏が担当するとのことで、かなり濃密な内容が期待できそうだ。Coding Edgeフォーラム内の一コーナーとして新設される予定。
アールラーニング 庄司氏は、本試験設立の目的として「RoRの専門知識習得を評価可能にすることによる認定者の雇用機会向上、および認定者が所属する会社のビジネス拡大」と説明した。
第一段階として、まずRoRの基礎知識を問う「Rails 3技術者認定ブロンズ試験」が2010年2月から開始される予定。RoRのバージョンアップが落ち着くまでは主教材コンテンツを「Rails Hub」内に掲載し、仕様が成熟してきた段階で市販書の教材と共に、上級者向けのシルバー、およびゴールド試験を実施する考えだ。
ブロンズ試験の概要や予定されている出題範囲は次のとおり。RoR 3.0本体に対する設問が中心で、サードパーティのプラグインや実行環境、サーバー・OSに依存する事項は含まない。
- 受験料金:1万円/回(税別)
- 試験会場:全国のオデッセイコミュニケーションズ認定試験会場
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)
- 設問数:40問
- 試験時間:1時間
- 合格基準:7割正解
- 出題形式:選択式(単一または複数選択)
項目 | 出題割合 |
1. Rails概要 Railsの各コンポーネント(ActiveRecordやActionPack)の説明や、MVCにおける基礎的な知識 ディレクトリ構造の説明 rake, railsコマンド ActiveSupport |
15% |
2. ActiveRecord ActiveRecordの構造 モデルの定義 リレーション バリデーション CRUD操作 スコープ マイグレーション |
30% |
3. ルーティングとActionController config/routes.rb RESTとコントローラ コントローラとデータの入出力 メディアタイプに合わせた出力フォーマット フィルタ |
20% |
4. ActionViewとヘルパー ERBによるHTMLの出力 JSONの出力 ヘルパー |
15% |
5. ActionMailer (メール) メールの送信 |
5% |
6. テスト ユニットテストにおけるテスト手法 モデルのテストとコントローラのテスト |
15% |
増井氏は「実務ではまだ2.x系を利用していることも多いが、本試験を受けることで3.0系に移行するよいきっかけとなるように問題を作成していきたい」と語っている。試験問題作成はアールラーニング 取締役の金子憲太郎氏が主導する。
今後は12月22日にポータルサイト「Rails Hub」のオープンおよびベータ試験の告知が予定されている。2011年1月にベータ試験、2月から順次本試験が実施される見込みだ。
@ITが2009年11月に行った調査によると、RoRの技術者総数を約3.9万人、技術取得希望者数を約26.1万人と推定しており、3年以内に述べ1万人の受験者を目指す構えだ。
今後の展開や情報更新については、公式Twitterアカウント「@railscp」を併せて参照のこと。
【関連リンク】
・公式Twitterアカウント(@railscp)
・Ruby on Rails
・Coding Edgeフォーラム(@IT)
・アールラーニング
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