昨年12月、スマートフォン向けの「GREE Platform」をオープン化したグリー。1月9日に東京大学で開催されたAndroid Bazaar and Conference 2011 Winter(以下、ABC)では、スマートフォン向けのプラットフォーム開発に関わったグリー株式会社 ソーシャルメディア統括部 エンジニア 熊谷健太郎氏が講演を行った。
グリーがスマートフォン向けのプラットフォーム開発において積極的に採用したのはAjaxのほか、HTML5、CSS3などといった新技術。熊谷氏は、これらの技術を採用することにより、表現力や開発効率の向上に繋がったと言う。
今回、新技術を駆使した「グリー流 スマートフォン向け開発のポイント」について、熊谷氏にインタビューして聞き出した。その内容を紹介したい。
2010年12月、スマートフォン向け「GREE Platform」を公開
昨年12月、グリーは「GREE Platform」を公開した。「GREE Platform」とは、GREEのパートナーが開発したソーシャルアプリをGREEユーザー向けに提供することを可能にする仕組み。ソーシャルグラフや更新情報の取得、課金システム等の機能をAPI/SDKとして提供している。
公開されてからまだ約2か月だが、ユーザーは月ごとに着実に増加している。熊谷氏は、先日のABCでの講演に登壇し、現在開発者にとってスマートフォン開発、特にAndroidがとても注目されているものであることを実感したという。実際、グリーでも昨年より、従来の日本携帯向けの開発からスマートフォンの開発へとシフトしてきている。
一番苦労したのはUIの設計
スマートフォン向けにプラットフォームを開発するにあたり一番の課題となった点は、従来のものとの操作方法の違いだった。
従来の日本の携帯では、テンキーでの操作が基本だった。タッチパネルになったことで、デザインの変更は必須条件となる。テンキーでの操作や、PCのマウス操作でクリックするのは簡単だが、実際にスマートフォンで検証してみると、意外と指が大きいこと、また指で押すことで指の下の画面を確認できないことに気付いた。熊谷氏自身も、最初は指で操作するためにはどのようなデザインが使いやすいかという点で悩んだという。iPhoneは日本での発売が1年遅れていたため「主に海外のサイトなどで情報を集め、開発の参考にした」と熊谷氏は語る。