HTML5/CSS3、JavaScriptに対応した「Dreamweaver CS5.5」
Dreamweaver CS5.5の、今までのバージョンとの差異を教えてください。
これまでのバージョン(CS4もしくはCS5)をお使いの方にとっては、CS5.5から、HTML5/CSS3、そしてJavaScript対応ができているというところが大きな要素だと思っております。特にこれらを使いたい、または既に使われている場合、飛躍的なワークフローなどの改善が見込めます。これは、以前のものに比べ、大変大きな機能的差異だと感じています。
特に、デベロッパーの方々にとっては、どうしてもビジュアルではなくてコードありきというところがあると思います。今回Dreamweaverのなかに組み込まれたコードエンジンでは、コードヒンティングやコード補完といった機能が、HTML5/CSS3、JavaScriptなど全てに対応している形になっています。この機能は、デベロッパーの方にとっても、十分使い勝手の良さを提供できるものだと思っています。
今回のバージョンから、JavaScriptを広範囲に活用することが可能になりました。先ほど申し上げたコードヒンティングに加え、コードライブラリ、特にjQueryなどの内部を直接見ていくことができるようになっています。カスタムコード的なものを書いていただいて、ヒンティングを使うことにおいて、機能のメリットを最大限に引き出してきて作業を始めるということもできます。
Dreamweaverを使用するのはWebデザイナーというイメージが定着していたかと思いますが、今バージョンでは対象ユーザーにデベロッパーも意識されたのでしょうか。
はい。開発者の方々に向けて、という問いに関しては、もちろんイエスです。今までWebのプロフェッショナルという方々は、どちらかというとデザイナーという領域での力量が試される世界だったと思います。つまり、Web上ではコードよりも、デザインが重要視された世界だったのではということです。
これはあくまで私見ですが、今はWebはデザインだけの世界ではなく、デザインの世界から逸脱した世界になってしまったと感じています。もちろん、ビジュアル的なデザイン性というのはある程度必要なんですが、ただそれだけではもう不十分で、近代のWebはインタラクティブ性を織り込んでいかなければいけないところまで来たと感じています。そのため、既存のビジュアルツール的なものでは限界があるのではないかと思っています。本日現在、ビジュアル性もありなおかつ優れたコーディング機能も提供できているのはDreamweaverだけでしょう。
デザイナーという定義の中に入る方々は、今までコードを学ぶことに抵抗を感じながら、デザイン性を追求することに力を尽くしてきた方々も多いと思います。そのような方々に対して、私はいつも私の思いをプレゼンテーションで申し上げているのです。デザイナーの方々にとって、今後も今まで通りの仕事 ― Web上でデザインする ― ということを続けていきたい場合、やはりコードの世界であるJavaScriptや、CSSなどといったものを学ぶ必要があるということです。現実を踏まえてみると、こういったコードの要素はとても重要になってきています。そして、今後それはもっと必要なものとなっていくでしょう。HTML5が出てきた世界では、デザインというだけで終始する世界観ではなくなっていると思うからです。