はじめに
Entity Frameworkは、Microsoftによって提供されているデータ操作を簡単に行えるフレームワークです。今回紹介する「コードファースト」では、データベースや概念モデルをあまり意識せずに開発することができます。
対象読者
- C#の基本を理解している開発者
- SQL Serverの基本を理解している開発者
動作確認した環境
当記事では以下の環境で動作確認を行っています。
- Visual Studio 2010 SP1
- .NET Framework 4.0
- Entity Framework 4.3
- SQL Server 2008 R2 Express Edition
- Windows 7 32Bit
ダウンロードサンプルはC#4.0、.NET Framework 4.0、Entity Framework 4.3の環境で実装しています。
コードファーストとは
「コードファースト」はEntity Frameworkのバージョン4.1から登場した新機能です。エンティティ(モデルのコード)を記述しておけば、テーブルが自動生成される点が特徴です。
もともと、Entity Frameworkでは、テーブルからウィザードで概念モデルを生成する「データベースファースト」、Entity Modelのデザイナーで概念モデルを定義する「モデルファースト」が利用できます。
指針としては、データベースがすでにある場合は「データベースファースト」、モデル(クラス)がすでにある場合は「コードファースト」(コード管理を好む場合)か「モデルファースト」(デザイナーを好む場合)を選ぶと良いでしょう。
1. プロジェクトの作成
それでは、コードファーストによる開発を始めてみましょう。まず、.NET Frameworkバージョン4のプロジェクトを作成します。プロジェクトの種類は何でも構いません。ここではシンプルな「コンソールアプリケーション」を選択します。
プロジェクト名は「EFCodeFirst」とします。
2. Entity Frameworkのインストール
Entity Frameworkをインストールするには、「Library Package Manager(通称、NuGet)」を使用します。
Visual Studioの[ツール]メニューから[Library Package Manager]-[Package Manager Console]をクリックします。
Package Manager Consoleウィンドウが表示されたら、コンソール(PM>の後ろ)で、
Install-Package EntityFramework
と入力します。このコマンドによって、最新のEntity Frameworkがダウンロードされます。
インストールが成功するとプロジェクトでアセンブリが参照されます。そして、アプリケーション構成ファイル(App.config、Web.config)に必要な設定が追加されます。
Visual C# 2010 Express Editionを使用している場合には、以下の手順でインストールすることができます。
- Visual C#でプロジェクトを作成して閉じる。
- Visual Web Developer 2010を起動してEntity Frameworkパッケージをインストールする。
- 再びC#でプロジェクトを開く。