Mozilla Japanは、Webブラウザ「Firefox」の最新版となる「Firefox 15」を、28日にリリースした。
「Firefox 15」における大きな改良点はメモリ管理の改善で、一部のアドオンによる、タブを閉じた後もオブジェクトへの参照を維持し続けることによって発生していたメモリリークの問題を、閉じたタブで使用していたメモリを解放するシステムを実装することで解決している。
ほかにも、デフォルトでは無効になっているものの、HTML5とJavaScriptによるPDFビューワが組み込まれた。ベータ版から組み込まれた機能だが、まだ実験段階であり、すべてのPDFファイルを完全に描画できるわけではない。
Web開発者向けの新機能としては、標準の開発者ツールにJavaScriptデバッガや、レスポンシブデザインサイトの表示を確認するツール、要素の調査時にボックスモデルのサイズをひと目で確認可能なビューが追加された。
JavaScriptデバッガでは、ブレークポイントや例外で停止し、関数呼び出しスタック、関数スコープやグローバルスコープの編集などを確認したり、書き換えたりしながらステップ実行を行うといった、基本的なJavaScriptデバッグ機能を実装している。
レスポンシブデザインビューでは、さまざまな画面サイズでの表示を簡単に確認でき、指定サイズのウィンドウで表示したときの結果や、画面を回転して縦横のサイズを入れ替えた表示を、ボタンを押すだけで確かめられる。レイアウトビューでは、要素のCSSボックスサイズをグラフィカルに表示可能で、「要素を調査」するときにスタイルビューを開くと、右下にレイアウトビューが表示される。
ほかにも、High Resolution TimeのPerformance.now()への対応や、Opus音声コーデックのサポート、関数のデフォルトパラメータやrestパラメータへの対応、Device Storage APIのサポートを追加している。
同日にリリースしたAndroid版の「Firefox 15」は、前回リリースのスマートフォン版におけるユーザーインターフェースの刷新やマルチスレッド対応を、タブレット版にも適用した。
おもな新機能は、Android標準ブラウザからのブックマークと履歴のインポート、近接センサーや光センサーへの対応。また、前回リリースで未実装だった、ページ内検索やテキストのコピーに再対応するとともに、「閉じる」ボタンを右側に移動し、「開いているページ」一覧で左右にスワイプしてページを閉じられるようにするなど、ページ切り替えの操作性を改善している。
【関連リンク】
・Mozilla Japan
・「Firefox」(デスクトップ版)
・「Firefox」(Android版)
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