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スマホ向けネット広告の分野でアツい注目を集める「RTB」-その理由と活用法

APIを使ってRTB広告を実装可能にする「AdStir RTB Exchange」(1)

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2012/09/27 11:00

 インターネット利用者の増加と技術の進歩をベースに、ネット広告の配信技術や市場も、日々目まぐるしく変化している。近年、この変化をさらに加速させるトレンドが起こっている。きっかけとなっているのは「スマートフォン」の爆発的な普及だ。

目次

 新製品が発売されるたびに大きな話題を集める「iPhone」の人気に加え、各キャリアはAndroid OSを搭載したスマートフォンを大々的にラインアップしており、ユーザー数はかつてのPCにおけるインターネット利用者の増加スピードを凌駕する勢いで増えつつある。ネット広告の市場において、スマートフォン向けサービスの動向を知り、それらをうまく活用していくことは、大きなビジネスチャンスにつながる状況となっている。

 PCネット広告の世界で端を発し、スマートフォン向けネット広告の世界でも、現在注目を集めている技術の一つに「RTB(Real Time Bidding)」がある。RTBとは、読んで字のごとく、ネット広告枠への「リアルタイム入札」を実現するための仕組みである。なぜ、この仕組みが現在注目を集めているのかについて見てみよう。

eCPMの最大化に「RTB」が効果的なわけ

 シンプルに表現すれば、ネット広告のビジネスモデルは、メディアなどを運営しているサイトが販売している広告枠を、広告を出したい企業が買い取って、そこに広告を表示することで成立する。広告媒体となるサイトが増加するのに伴い、ネット広告を出したいという企業も増加しているため、必然的にその間には仲介をするシステムが発生してきた。複数の広告媒体となるWebサイトを集約して、広告受注を一括で引き受ける「アドネットワーク」は、その代表的なものだ。

 広告媒体となるサイトにとっては、複数の広告主からの受注をアドネットワークの事業者に一括で任せられる点がメリットになる。また、広告主にとっては、ネットワークに参加している幅広い媒体への広告配信が行われるため、リーチ率を高められるというメリットがある。現在、スマートフォン広告の分野において主流になっているのも、この仕組みだ。

 一方、日本のスマートフォン広告の分野でも活用が始まったRTBでは、広告枠を提供する媒体側が、1インプレッションに対してリアルタイムに入札を行い、最も高い入札額を提示した広告主に対して、その枠を販売することができる。いわゆる「リアルタイムオークション」の仕組みをスマートフォン広告に取り入れることを可能にするものだ。

 広告主側にとっては、オーディエンスターゲティング(注1)などと組み合わせて利用することで、最も訴求したいターゲットに向けた広告配信が可能となり、費用に対する広告効果を高められるというメリットがある。

 一方の媒体側にとって、RTBは広告枠全体から得られる収益(eCPM;注2)の最大化を目指すにあたって効果的な仕組みとなる。事業者が提供するRTBシステムには、落札の最低価格を設定できる「フロアプライス」と呼ばれる機能がある。例えば、RTBでは、アドネットワークから得られる1インプレッションあたりの収益よりも高い価格を、フロアプライスとして設定しておき、落札されなかった分のインプレッションを、純広告およびアドネットワーク用として配信し、フィルレート(広告表示率)を担保するといった運用も考えられる。

RTB、純広告、アドネットワークの組み合わせによるマネタイズのイメージ
RTB、純広告、アドネットワークの組み合わせによるマネタイズのイメージ

 特に大量のインプレッション在庫を持つメディアであれば、RTB、純広告、アドネットワークといった複数の仕組みをポートフォリオ化してうまく管理することで、自社サイトのeCPMを効果的に向上させていくことが可能なのだ。

 RTBは、すでにPC向けのネット広告配信ではスタンダードな存在になっている。スマートフォン広告の分野においても、米国では徐々に主流となりつつある。また、スマートフォン広告の分野では、Webサイトだけでなく、ユーザーがダウンロードして利用する「アプリ」も広告配信の対象となる。広告によるメディアやアプリのマネタイズを考えるにあたって、日本においてもRTBが注目を集めている理由はこういった部分にある。

注1:オーディエンスターゲティング

 行動履歴をもとに顧客の興味関心にあわせて広告を配信する手法。

注2:eCPM

 広告1000回表示あたりの収益額。


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著者プロフィール

  • 柴田 克己(シバタ カツミ)

    フリーのライター・編集者。1995年に「PC WEEK日本版」の編集記者としてIT業界入り。以後、インターネット情報誌、ゲーム誌、ビジネス誌、ZDNet Japan、CNET Japanといったウェブメディアなどの製作に携わり、現在に至る。 現在、プログラミングは趣味レベルでたしなむ。最近書いてい...

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