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ASP.NET 4.5 Webフォームの新機能概要と、4.0からのアップグレード手順

実例で学ぶASP.NET 4.5 Webフォーム 新機能活用法 第1回

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2013/05/27 14:00

 昨年リリースされたASP.NET 4.5には多くの新機能が含まれています。そのうち、Webフォームの新機能について、本連載では実際の活用例をサンプルとともに紹介していきます。初回の今回は、新機能の概要と既存のASP.NET 4.0のWebフォームアプリケーションを、ASP.NET 4.5へアップグレードする手順について説明します。

目次

はじめに

 ASP.NET 4.5が昨年8月にリリースされてから、もうすぐ一年が経とうとしています。ASP.NET 4.5の新機能は非常に多い上、日本語情報がまだまだ少なく、すべてを把握することは容易ではありません。

 本連載ではASP.NET 4.5の新機能のうち、Webフォームにターゲットを絞り、活用例と共に全6回に渡って紹介していく予定です。連載の目的は、次のような読者にASP.NET 4.5の新機能を業務アプリケーションに活用できるようになってもらうことです。

 前の連載をまだ読んでいないようであれば、ぜひそちらも併せて参照することで、より理解が深まることでしょう。

ASP.NET 4.5 Webフォーム新機能概要

 それぞれ新機能の解説に入る前に、まずは大まかにどのようなものが追加されたのか見てみましょう。ASP.NET Webフォームの新機能には次のようなものがあります。

厳密に型指定されたデータコントロール

 GridView、FormViewなどのデータコントロールで、データバインドするオブジェクトの型を厳密に指定できる機能です。第2回で取り上げます。

モデルバインド

 サーバーコントロール、クエリ文字列、セッション状態などの値を、「モデル」の値にバインドする機能です。ASP.NET MVCではおなじみの機能ですが、Webフォームでは今回初めて採用されました。第3回で取り上げます。

モデル検証

 UIで入力された値の検証処理を「モデル」に持たせる機能です。ASP.NET MVCではすでに導入済みです。第4回で取り上げます。

目立たない検証

 検証コントロールにより生成されるクライアントサイドスクリプトを「目立たなく」させる機能です。第5回で取り上げます。

HTMLエンコードされたデータバインド式

 従来はHttpUtility.HtmlEncodeメソッドを用いて行っていたHTMLエンコードを、自動的に行ってくれるデータバインド式です。第2回で取り上げます。

HTML5フォームのサポート

 サーバーコントロールとして、email、telなどのHTML5属性が使えます。第5回で取り上げます。

非同期ページ

 C# 5.0でお目見えしたasync/awaitを活用する非同期なWebページです。第5回で取り上げます。

 これ以外にも細かなところで変更が入っています。詳しくは「ASP.NET 4.5およびVisual Studio 2012 - MSDN Library」を参照してください。

新機能をどう活用していくか

 ASP.NET 4.5のWebフォーム新機能の概要から、どう活用していけばよいか私なりに考えた結果は、「データバインドを中心としたアプリケーション」の促進です。

 これまでもデータソースコントロール、データバインドコントロール、およびデータバインド式を用いて、データバインドを中心に据えたアプリケーションの開発を行うことができました。ただ、「データバインド時」「コマンド実行時」などのイベントベースで処理を記述するため、検証や更新処理の記述が分散しがちでした。また、データソースコントロールという「余分」なコントロールが必要となっていました。

 ASP.NET 4.5で新たに加わったモデルバインド、モデル検証を使うと、「登録」や「変更」といったコマンドベースで、検証→更新と一連の処理を記述できるようになり、コードの可読性が向上します。また、厳密に型指定されたデータコントロールにより、型安全にデータバインドが行えるようになりました。さらに、データソースコントロールがなくても直接コードビハインドに定義したメソッドと連結できるようになり、aspx側がシンプルになります。

ASP.NET 4.5へのアップグレード

 ASP.NET 4.5 Webフォーム新機能の全体像をつかんだところで、いよいよASP.NET 4.5を活用する手順について説明していきましょう。

 連載初回である今回は、まずは既存のASP.NET 4.0用のWebフォームアプリケーションを、ASP.NET 4.5へアップグレードする手順について説明します。アップグレード対象は、前回連載で作成した「会議室予約システム」です。システム概要は次のとおりです。

  • システム名はMRRS(Meeting-Room Reservation System)
  • 対象会議室、空き時間を調べ、会議室の予約を行える
  • 会議室は場所情報も持つ
  • 予約情報は、予約日時(From-To)、会議室、用途、備考を持つ
  • 予約情報は履歴を残す

 今回は、前回連載第8回の記事のサンプルをもとにアップグレードを行っていきます。ASP.NET 4.5へのアップグレードには、大きく分けて以下の3つの作業が必要です。

  • ターゲットフレームワークの変更
  • EntityFrameworkのバージョン変更
  • SQL Server 2012 Express LocalDBへの切り替え

 それぞれ見ていきましょう。


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著者プロフィール

  • WINGSプロジェクト 高野 将(タカノ ショウ)

    <WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2017年5月時点での登録メンバは52名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂き...

  • 山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

    静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for ASP/ASP.NET。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。 主な著書に「入門シリーズ(サーバサイドAjax/XMLD...

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