エルピーアイジャパン(LPI-Japan)は3日、新試験「HTML5プロフェッショナル認定試験」を2014年1月から配信開始することを発表した。試験はコンピューター上で解答するCBT方式で行われる。
LPI-Japan理事長の成井弦氏は、本試験設立の経緯について「スティーブ・ジョブズやジェームズ・キャメロンに代表されるように、近年ITとクリエイティブの世界をうまく融合した人物が大きな成功を収める傾向にある。現在はWebプログラマー、Webデザイナー、サーバーエンジニアと分かれているが、高い表現力や共通基盤を提供するHTML5によって、今後は各領域を横断的にカバーできる人材のニーズが高まっていくと考えられる。本認定制度では、そのようなクリエイター・技術者の養成を手助けしたい」と説明した。
また、試験内容の開発を指揮する同団体理事の鈴木敦夫氏は、「HTML5が普及し技術者にとって必須の技術になっていく中で、プロフェッショナルな人材の不足が懸念される。より一層の普及には、技術力を中立な立場で客観的に評価する術が必要」と述べた上で、試験の開発プロセスはLPIC(Linux技術者認定試験)を踏襲し、多くの市場分析や業務分析に加え、オープンなコミュニティや企業の協力を得て、議論した中から作り上げていることを明かした。
試験は、知識レベルに応じてレベル1~3で構成されており、今回開始されるのは「レベル1(Markup Professional)」。HTML5やCSS3の記述、レスポンシブWebデザインといった、主にプログラミング知識をあまり必要としない静的なコンテンツの制作能力を測る。
2014年後半の開始を予定している「レベル2(Application Development Professional)」では、レベル1の内容に加え、インタラクション、ユーザービリティ、マルチデバイス対応、システム間連携といったアプリケーションレベルでの知識が問われる予定。
レベル3については構想段階で、様々な団体との議論や業界の動向を踏まえつつ、検討していきたいとした。例として、Embeded Application、WebGL、Game Developmentといった適用範囲を掘り下げた内容を挙げている。
受験料はそれぞれ税別15,000円。レベル1の受験申し込みは、試験運営を担当するピアソンVUE(ビュー)社にて12月3日から受付を開始している。
出題範囲や試験の詳細、受験申し込みについては公式ページを参照のこと。受験者数は初年度で1000名、3年目で10000名を目指す。
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斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)
株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...
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