Internet of Thingsとは?
Internet of ThingsはIoTとも略され、古くはM2M(Machine-to-Machine)と呼ばれるコミュニケーション技術にもルーツがあります。日本語訳では「モノのインターネット」と、かなり残念な名前が付いてしまいましたが、技術的には「デバイスをネットワークにつなぐ」ことを意味しています。
Mobile World Congress 2014のカンファレンス会場では「500億台」、調査会社であるガートナーの発表では「200億台」のデバイスが2020年までにネットワークに繋がると発表されており、試算された市場規模から新たに加熱しつつあります。しかしCloud Computingがそうであったように、Internet of Thingsも、まだ共通概念や認識を持つまでは成熟していません。聞く人、話す人よって異なるイメージを持っている場合も多いのです。
今回の調査では「人はどれだけの情報を発信・蓄積していくのか」を課題として、Mobile World Cogress会場を見てきましたので、「IoTを取り巻く技術動向」と「これから何がシステムに求められていくか?」について情報共有します。
IoTの市場性
それではまず、IoTの市場性について見ていきましょう。すでに数多くのリサーチレポートが世界中で出ていますが、そこからいくつか抜粋して「こうなるだろう」という仮説を検証していきます。
図2は、IoT European Research Clusterが2010年にまとめたIoTに関する市場性レポートです。インターネットへ繋がる比率が年代を経るごとに変化していることが確認できます。
現在私たちが使っているデスクトップPCやタブレット端末以外にも、インターネットへ繋がるデバイスが増えてくることが示されています。
つぎに、IoTにおける成長分野と新たな参入可能性について見ていきましょう(図3)。
IoTは「500億台がつながる未来!」と壮大なビジョンが描かれている関係でさまざまな産業の適用性が示されます。しかし忘れてはいけないのが、各産業にはすでにマーケットを持つ企業が必ず存在し、法規制やさまざまな要件により高い参入障壁が存在します。せっかく「IoTで面白いことをしよう!」といっても、参入する産業や市場を間違えると大変な痛手を被るコトでしょう。
図を見ていると、自動車産業や医療系、インテリジェントビルといえば、ベンチャーが入り込むには、どれだけの時間が必要なんだろう...と思うばかりです。
でも大丈夫です、今回は読者の皆様が多いであろう「Webサービス事業者」を想定して「たぶんこうかな」というメモ(図3)を作成しました。「アイデアと安価なセンサデバイスとWebサービス」を組み合わせれば、3~5年後に面白い市場が国内にも出てきてくれるのでは期待しています。
そんなIoTですが、Mobile World Congress 2014を歩いて、現在どのようなことができているのかをリサーチした結果からご紹介いたします。