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いまさら聞けないクラウドのアレコレ

いまさら聞けないクラウドのアレコレ(5)
~本当のSLAを理解する~

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 本連載では、すでに5年を経過しようとしている日本のクラウド業界動向を、さくらインターネット研究所の独自調査に基づきご紹介します。今回は『いまさら聞けないクラウドのアレコレ(5)~本当のSLAを理解する~』として、私たちを取り巻くコンピューティング環境の変化と実際を見ていきましょう。

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企業が成長するために必要なこと

 以前、『いまさら聞けないクラウドのアレコレ(2)~スタートアップ企業のジレンマ~』として、インスタンス数1,000を超えたあたりから、利用か保有かの選択肢が出てくるという視点を情報共有しました。この部分を彼らは「グレーゾーン」と表記しており、筆者はここを「成長のジレンマ」と考えています(図1)。

図1. スタートアップ企業が抱える成長のジレンマとクラウドの関係性
図1. スタートアップ企業が抱える成長のジレンマとクラウドの関係性

 再び同じ言葉の引用ですが、コンピューティング資源を「利用する」か「保有する」かその選択は、どのようスタートアップ企業であれ成長が持続する間は必ず迎えるターニングポイントの一つです。

 プライベートクラウド、パブリッククラウド、サーバー仮想化、データセンターの利用とスタートアップ企業は、確実にどこかで成長のジレンマと選択を迫られることになります(図2)。

図2. スタートアップ企業におけるパブリッククラウド利用推定
図2. スタートアップ企業におけるパブリッククラウド利用推定

 以前も紹介しましたが、図3のようにスタートアップ企業の成長著しい場合、とても小さいサービス向けシステム基盤を設立者と二人三脚しながら管理運用していき、その管理するコンピューティング資源が加速度的に増大していくことになります。Pinterest社の場合、その成長の過程ごとに今まで作ってきたサービス向けシステム基盤を見直し、時には古いシステムを捨て、まったく新しいシステム設計仕様で構築し直すということを繰り返してきました。

図3. Pinterest社におけるシステムエンジニア数の増加率(2013年時点)
図3. Pinterest社におけるシステムエンジニア数の増加率(2013年時点)

 日本国内におけるスタートアップ企業の場合、俗説として「3~5年が大きな成長までに係る期間」と言われていますので、やや北米企業と比べてそのサイクルは長めになりますが、やはり定期的にシステムの見直しを図っていくことだけは変わりないかと思います。

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/8651 2015/06/15 14:00

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