SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

HTML/JavaScript開発作業を効率化する便利ツールの活用

Web開発ライブラリを自動的に入手できるパッケージ管理ツールBower

HTML/JavaScript開発作業を効率化する便利ツールの活用 第3回

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 本連載では主にHTML/JavaScript開発作業を効率化する様々なツールやライブラリを紹介します。今回はJavaScriptやCSSなどの様々なライブラリを自動的に入手できるパッケージ管理ツールBowerを取り上げます。

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめに

 プログラム開発においてライブラリの活用は欠かすことができません。ライブラリが提供する機能を適切に組み合わせることで、既に存在する機能をもう一度自分で作る無駄がなくなり、開発効率や成果物の品質を向上させることができます。

 一般にライブラリには「あるライブラリを使用するために別のライブラリが必要」といった依存性があります。使用するライブラリの数が増えてくると、依存性を手動で解決すること自体が手間となってくるため、依存性を自動的に解決してライブラリを準備してくれる、いわゆるパッケージ管理ツールが重要になってきます。表1に示すように、開発ツールや開発言語により様々なパッケージ管理ツールが存在します。

表1 主なパッケージ管理ツール
名称 主な適用分野
CocoaPods iOSアプリ開発
NuGet .NET開発
RubyGems Ruby開発
Composer PHP開発
npm Node.js/JavaScript開発

 今回紹介するBowerは、HTML/JavaScript開発を主なターゲットにしたパッケージ管理ツールです。他のパッケージ管理ツール同様、JavaScriptやCSSなどの複数ライブラリを、依存性を解決しながら自動的にダウンロードすることができます。Bowerでダウンロードできるライブラリは公式Webページでキーワード検索できます。

図1 Bowerの検索ページで必要なライブラリを探せる
図1 Bowerの検索ページで必要なライブラリを探せる

 HTML/JavaScript開発に用いるという意味では、Bowerの適用範囲が表1のnpmと重複しますが、BowerはjQueryやBootstrapなどクライアントサイドで利用するライブラリを、npmはサーバーサイド、もしくは開発で利用するパッケージを主に提供します。Bower自身もnpmのパッケージとして提供されています。

 本記事ではBowerによるライブラリのダウンロードや管理の方法を、サンプルを交えて説明します。

対象読者

  • 余計な作業はやらずにプログラミングに集中したい方
  • ライブラリをふんだんに利用して(良い意味で)手抜きをしたい方
  • とはいえ自分でライブラリを1個1個ダウンロードするのが面倒な方

必要な環境の準備

 Bowerを実行するには、Node.jsGitがインストールされている必要があります。それぞれの公式サイトからインストーラーを入手してインストールしてください。

 Node.jsとGitのインストール後、リスト1のコマンドを実行するとBowerがインストールされます。「-g」は(特定のプロジェクトやフォルダにではなく)システム自体にインストールするためのオプションです。

リスト1 Bowerをインストールするコマンド
npm install -g bower

 今回は以下の環境で動作を確認しています。

  • Windows 7 64bit版
  • Node.js v0.12.2
  • Git v1.9.5
  • Bower v1.4.1

Bowerによるライブラリのダウンロード

 Bowerでライブラリをダウンロードするには「bower install <パッケージ名>」コマンドを実行します。リスト2はjQueryをダウンロードするコマンドです。

リスト2 BowerでjQueryをダウンロード
bower install jquery

 任意のフォルダでリスト2を実行すると、bower_componentsサブフォルダにjQueryの一式が展開されます。

図2 BowerでダウンロードしたjQueryのファイル群
図2 BowerでダウンロードしたjQueryのファイル群

 jQueryのバージョンを指定したい場合は、リスト3のように#に続けてバージョンを指定します。

リスト3 バージョンを指定してダウンロード
bower install jquery#1.11.3

 パッケージ名の代わりにGitHubの該当パスを直接指定してダウンロードできます。リスト4に示した2種類のコマンドはリスト2と同じ動作をします。

リスト4 Bowerにパッケージを指定する別の記述法
#GitHubリポジトリを指定
bower install git://github.com/jquery/jquery.git

#GitHubの「<ユーザー名>/<リポジトリ名>」型式で指定
bower install jquery/jquery

 またリスト5のように、任意URLのファイルを直接指定してダウンロードすることもできます。

リスト5 任意URLファイルをダウンロード
bower install http://example.com/script.js

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
パッケージ依存性を自動解決

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
HTML/JavaScript開発作業を効率化する便利ツールの活用連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト  吉川 英一(ヨシカワ エイイチ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/8765 2015/06/24 14:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング