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編集長インタビュー

CTOに訊く、「検索」でサービスの可能性を切り開く技術革新「Elasticsearch」

Elasticsearch社CTO/ビズリーチCTOインタビュー

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 FacebookやLinkedIn、GitHubといった著名企業が導入し、開発会社が昨年7000万ドルの資金調達をしたことでも注目を集めているオープンソースの全文検索エンジン「Elasticsearch(エラスティックサーチ)」。このソリューションの魅力はどこにあり、どこを目指しているのか。7月末に来日したElasticsearch社CTOのシャイ・バノン(Shay Banon)氏に、国内でElasticsearchを本格的に活用した求人検索エンジン「スタンバイ」を展開しているビズリーチCTO 竹内真氏とともにインタビューした内容をお伝えする。

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ビズリーチ 取締役CTO 竹内真氏(左)と、Elasticsearch社CTO シャイ・バノン氏(右)
ビズリーチ 取締役CTO 竹内真氏(左)と、Elasticsearch社CTO シャイ・バノン氏(右)

必要なのは、ユーザーが欲しいデータをもっと簡単に取り出せること

――Elasticsearchという製品の特徴を教えてください。

 シャイ・バノン氏(以下、シャイ):Elasticsearchは、ユーザーがもっと簡単にデータから本当に欲しいものを検索できるように、というコンセプトで開発したオープンソースのソリューションです。ユーザーが質問し回答を返す「検索」という行為は、人にとって非常に自然な行為だと思いますが、検索対象となるデータの爆発的な増大、データの意味理解の複雑さといった課題が多く存在します。私はその辺りを手伝いたいと考えました。また、検索は質問に対していかに早く回答を出せるかが重要だと考えています。

 5年前にElasticsearchをリリースし、3年前に同名の会社を設立したのですが、会社が成長するにつれ、検索の拡張性を考えると可視化が重要になり、ダッシュボード機能なども備えた「Kibana」という製品も作りました。Elasticsearchにデータを渡すための「Logstash」という製品も作りました。扱うデータの規模が増えるにつれ、こういった横断的な周辺機能もますます重要になります。

全文検索エンジン「Elasticsearch」
全文検索エンジン「Elasticsearch」

――どういったユーザーが利用しているのでしょうか?

 シャイ:さまざまなユーザー、用途が対象です。とにかく、データを使って何かをしたい、という人は対象といえるでしょう。代表的な例でいえば、WebサイトのコンテンツやEコマースの商品の検索、サーバーやデータベースといったインフラまわりの扱いなどが挙げられます。

――同様のオープンソース製品「Apache Solr」などとの違いは?

 シャイ:最初から拡張性を意識して作りました。「分散型」というキーワードでまとめられると思います。それから、いわゆる新しい技術をベースにしている点も重要で(注1)、特にAPIベースのインターフェースは本当に分かりやすい環境を提供できていると思います。何百台のマシンを使ったり、ペタバイト級のデータを扱ったりするスケールでは特に、われわれの製品に優位性があります。

 また、Elasticsearchは検索の世界をさらに大きくすることに貢献できたとも考えています。いわゆる従来の検索エンジンと異なり、適用範囲が広範にわたっています。

注1

 スキーマレス、すべての入出力がREST&JSONといった特徴がある。

――昨年11月に日本法人を作られた背景と、日本市場に対する印象をお聞かせください。

 シャイ:まず強調しておきたいのが、われわれはあくまでオープンソースソフトウェアの会社であり、われわれの製品は世界中の誰でも自由にダウンロードして使えることです。非常にパワフルで自由。場所を問わず、実際に世界各国で使われています。

 一方で、同時にユーザーありきでもあります。ニーズがあるところに進出して、必要とされるサポートサービスや商用製品を提供することも重要です。その中で、日本は特に戦略的な場所だと考えています。

 先日、200名が参加するイベント(第11回elasticsearch勉強会)が日本でありましたが、これは世界でも最大規模で、間違いなく日本でイノベーションが起こる、重要な市場の一つと捉えています。実際、イベントに参加して感じたのですが、日本もちょうど2年前のアメリカのような状況になりつつあると思います。若いスタートアップ企業もいれば、大企業でソートリーダー(自分の考えを表明しリーダーシップを取っていく人)を担っているような人も深く関わってきてる様子を観察できました。難しい問題に対してイノベーションで解決策を提案していこうという機運も感じました。

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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