エンバカデロ・テクノロジーズは、Windows、Mac OS X、iOS、Androidに対応したマルチデバイスネイティブアプリケーション統合開発環境の最新版「RAD Studio 10 Seattle（ラッドスタジオ・テン・シアトル）」を9月1日から販売開始した。RAD Studioは、DelphiとC++Builderを包括するスイート製品でもある。
新バージョンでは、Windows 10の新しいUIコントロールやサービスをサポートし、コンポーネントとして簡単に利用できるようになった他、旧バージョンのWindowsに対してもUIコントロールを共用できるため、バージョンが異なるWindows間でコードベースを一元化できる。デザインを継承する方式でマルチデバイス対応のUI設計を支援する「FireUI」もWindows 10に対応した。
また、今回から製品開発方針を転換し、マルチデバイス開発を主眼にした「XEシリーズ」に、最新のWindows 10サポートを融合する形で「10シリーズ」として位置づけ、ナンバリングもバージョン番号に都市名のニックネームを付ける形に変更された。今回は米マイクロソフト本社も所在するシアトルが付けられている。
以降は、10シリーズを軸に、BeaconFence（ビーコンによる位置検知）、AppAnalytics（マルチデバイスアプリのUXを改善する分析ツール）といった用途特化型の製品を拡充していく方針だ。継続的な製品アップデートを提供する年間契約サービス「アップデートサブスクリプション」も提供開始する（製品価格の30％を年間支払い）。製品ライフサイクルとしては、従来の半年に一回ペースのマイルストーン提供を基調に、リリースタイミングについては主要OSのアップデートとのタイムラグを無くしたいという構えだ。
Windows 10のサポート以外にも、使用可能メモリ量の改善、マルチモニターのサポート、Win32 C++コンパイラのC++11対応、MongoDBのサポート、JSON／BSONのサポート強化、Androidサービスの作成といった機能強化が行われている。
サポートする機能に応じて、Professional／Enterprise／Ultimate／Architectの4つのエディションが提供され、価格はProfessional版が240000円、Enterprise版が396000円から（共に税抜き）。9月29日までの発売記念キャンペーンや、旧バージョンからのアップグレード（バージョン1からが対象）による割引提供も行われる。
【関連リンク】
・RAD Studio 10 Seattle
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