はじめに
本稿では、「Extract for Brackets」の基本的な使い方を紹介します。なお、本稿は Brackets 1.5 を元に執筆したものです。今後のバージョンアップにより、機能や操作方法が変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
対象読者
- 画像スライスおよびCSSコーディングをされる方
- Adobe Brackets Extract を使いたい方
必要な環境
- Brackets(英語)
- Adobe Creative Cloud(無償メンバーシップでも利用できます)
Extract for Bracketsとは
Adobe Systemsが中心となって開発を行っている、オープンソースのWebコーディング用テキストエディタ「Brackets」で利用可能な機能です。PSD形式のファイルからの画像書き出しやCSS抽出を行うことができます。
Extract for Brackets の使い方
起動方法
Adobe Brackets の画面右側下部にある、レイヤーのようなアイコンがExtractです。
アイコンを押すと、ログイン画面が表示されるので、Adobe ID(無償登録可)でログインします。すると、画面下部に「Creative Cloudアセット」が表示されます。ここで、PSDファイルを管理します。
今回は、上記画像のようなお問い合せボタンのPSDをアップロードして、HTML/CSSを作成します。
HTML
まずは、Brackets で簡単なHTMLを作成します。<a>タグにclassをつけただけのシンプルなものです。
<a href="" class="btn">お問い合せはこちらから</a>
HTMLはこれだけです。
CSS
ここから、Extract の出番です。PSDからCSSを抽出しながら書いていきます。テキストを選択すると、font-size のコードヒントが出てくるので、あとはエンターを押すだけです。
colorもコードヒントが出てくるので簡単です。
さらに、shiftキーを押しながらPSDレイヤーを複数選択すると、相対位置情報が表示されます。位置情報を参考に、padding を入力します。
次に、背景を抽出します。backgroundのグラデーションもベンダープレフィックス付きで簡単に抽出できます。
角丸のサイズも抽出できます。ただし、borderは抽出できないので手入力します。
次に、メールアイコンの画像をスライスして書き出します(後で複数背景にします)。PSDのアイコン部分を選択すると、backgroundに「アセットを抽出」と表示されます。
Enterキーを押すと、images フォルダが生成され、レイヤー名の画像が保存されます。画像スライスが一瞬で完了しました。
今のbackgroundを、グラデーションのbackgroundに追加し、複数背景にします(repeat、positionは手入力)。
最後に、paddingやhoverなどを微調整すれば完成です。
.btn { font-size: 13px; color: #463c37; text-decoration: none; display: inline-block; padding: 15px 15px 15px 40px; background: url(images/icon_mail.png) no-repeat 15px 50%, -webkit-linear-gradient(90deg, #f7f2ee 0%, #ffffff 100%); background: url(images/icon_mail.png) no-repeat 15px 50%, -moz-linear-gradient(90deg, #f7f2ee 0%, #ffffff 100%); background: url(images/icon_mail.png) no-repeat 15px 50%, -o-linear-gradient(90deg, #f7f2ee 0%, #ffffff 100%); background: url(images/icon_mail.png) no-repeat 15px 50%, -ms-linear-gradient(90deg, #f7f2ee 0%, #ffffff 100%); background: url(images/icon_mail.png) no-repeat 15px 50%, linear-gradient(0deg, #f7f2ee 0%, #ffffff 100%); border-radius: 5px; border: 1px solid #d6bca4; } .btn:hover { background: url(images/icon_mail.png) no-repeat 15px 50%, #f7f3ef; }
画像スライスも含めて5分ほどで完成しました。 また、Bracketsのライブプレビュー機能で表示確認しながらコーディングすることも可能です。
まとめ
簡単に画像スライスおよびCSSコーディングを行う「Extract for Brackets」の使い方でした。完成品はサンプルファイルで確認できます。