翔泳社では8月25日に『プログラマのためのSQLグラフ原論』を刊行しました。SQLの第一人者、ジョー・セルコの名著からのスピンオフとなる本書は、データをやり取りするフォーマットとしてXMLの利用が増えてきた昨今に、リレーショナルデータベースとSQLで木と階層構造を扱いたい方には必携の1冊です。
『プログラマのためのSQLグラフ原論 リレーショナルデータベースで木と階層構造を扱うために』は、アメリカを代表するデータベースエンジニアの一人、ジョー・セルコの主著のスピンオフとして刊行されました。その『プログラマのためのSQL』では1章を割かれるのみだった木と階層構造を扱う方法について、本書では丸々1冊にわたって論じています。
Web上でデータをやり取りするフォーマットとしてXMLを利用することが増え、データベースでも階層構造を持つデータを扱うことが切実な課題となっています。その対応の一つが、リレーショナルデータベースとSQLで木と階層構造を扱う方法です。本書では「隣接リストモデル」「経路列挙モデル」「入れ子集合モデル」が詳細に解説されています。
本書の翻訳と監修は日本でも有数のDBエンジニアであるミックさんです。6月に『SQL 第2版 ゼロからはじめるデータベース操作』を刊行するなど著書も多数あるミックさんをして、「新しい視点の転換をもたらしてくれる」という本書。
まさに開発プロジェクトの真っ最中の方は中盤以降から読み進めれば、すぐに手法を応用してプロジェクトに取り組んでいけるはずです。もちろん、時間があれば最初から読み進め、理論の背景から理解していくのがおすすめです。
これからも使われていく息の長い技術であるSQLを、より深く理解し多様に利用できるようになることは、エンジニアやプログラマとしての存在価値を高めることに繋がるでしょう。
目次
第1章 グラフ、木、階層
第2章 隣接リストモデル
第3章 経路列挙モデル
第4章 入れ子集合モデル
第5章 頻繁に挿入が行なわれる木
第6章 入れ子集合モデルの線形バージョン
第7章 二分木
第8章 木を表現するその他のモデル
第9章 木を扱うための実装依存の拡張
第10章 データモデリングにおける階層
第11章 階層を持ったコード体系
第12章 SQLにおけるグラフ
第13章 ペトリネット
第14章 状態遷移グラフ
第15章 階層型データベース(IMS)
付録 訳者による解説──ミック
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渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)
翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。
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