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キャリアインタビュー

自らの手で、価値あるものを生み出し続けたい――デブサミでつかんだ転機と、エンジニアとしての決意


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転職して感じた、SIerとベンチャーそれぞれの良いところ

 ――freeeに転職して、前職での環境から変化したことを教えてください。

 まず、つくるプロダクトのスケール感が違いますね。前職では大きなスケールのものに携わることが多かったです。社会インフラや、オリンピック関連事業といった、誰もが知っているようなものをつくることは面白かったですね。プロジェクトは半年から1年以上にわたるので、ちゃんと計画を立てる必要がありましたし、たくさんの外部パートナーの方とも連携するので、そういった面でもやりがいがありました。

 一方、freeeではスピード感が重視されます。自社のプロダクトをエンジニア主導で作っているため、すぐにユーザーへ価値を届けることができます。数時間単位でプロダクトがアップデートされていくこともあり、自分の作ったものがユーザーの価値に直結するという感覚が強いです。そういった意味では、これまで思い描いていたところに近づけたのではないかと思います。

 業務のプロセス面では、SIerは品質を担保するために、組織として開発を進めていくことを重視していました。チームごとに責任の範囲を決め、レビューも綿密に行われていました。

 freeeでは、誰かにレビューを受ければOKということはなく、最後まで全て自分の責任で進める必要があります。あとは、品質が良いものであることは当然として、いかにユーザーにとって大きな価値があるものを出せるか、ということを大切にしています。リリースした機能をユーザーが実際にどれだけ使っているか、ということもすぐに分かりますし、そういった点は自社プロダクトの魅力ですね。

 前職だと開発スパンが大きいこともあり、フィードバックがないわけではありませんでしたが、それを反映させるにもある程度の期間が必要でした。しっかりと作り上げていくことはできるのですが、スピード感が違いますね。

 ――技術的な面では、どのような違いがありますか?

 SIerって技術的な制約が大きいというイメージがあると思うのですが、R&D部門に所属していたこともあり、そこまで大きな制約はなかったですね。ただ、セキュリティマネジメントを考慮して、クラウドよりもオンプレミスが好まれていたように思います。

 freeeの場合、価値を生み出す可能性には何でも挑戦する、という方針がありますね。また、さまざまな技術のスペシャリストがいるのも特徴だと思います。フロントエンドだったり、インフラだったり、多種多様なバックグラウンドを持っているエンジニアがいて刺激になります。あとは、組織としてフロントエンド、サーバーサイドなどの間に大きな垣根は作らないようになっています。私は事業開発エンジニアという、外部パートナーさんと連携したサービスをつくる立ち位置にいますが、例えばテストを強化したい場合はQAエンジニアのかたと一緒に取り組む場合もありますし、自分がやりたいことを実現しやすい環境だと思います。

毎日0.2%の成長でも、積み重ねると大きなものになる

 ――本田さんの今後のキャリアプランや目標についてお聞かせください。

 好きなことを仕事にできている状態であり続けたいです。平日、仕事をしている時間が人生の大半を占めるような気がしているので……。仕事が楽しくない、という方もいらっしゃると思うのですが、私は常に楽しく仕事をしていたいと考えています。

 もちろん、ただ好きなことをしているだけでは単なる趣味になってしまうので、楽しいことをやった結果、価値を生み出して提供できなくてはいけない、と思っています。この場合の価値というのはfreeeのユーザーに対して、というのもそうですし、業務外でも何かできたら、と。freeeは複業OKなので、それぞれ好きなことをしている人も多いんです。私も仕事とは別にソフトウェアを作っています。

本田さんが業務外で手がけている課題管理ソフトウェア
本田さんが業務外で手がけている課題管理ソフトウェア

 ――目標を達成するために日頃から心がけていることはありますか?

 毎日少しずつでもいいから成長するということですね。昨日よりもちょっと仕事が速くこなせるようになったとか、新しいスキルを身につけるとか、そういったものの積み重ねが、気が付くと大きな違いを生むのではないかと考えています。

 具体的な数値を挙げると、1日に0.2%成長すれば、複利的に1年で約2倍成長している計算になります(編集部注:100*1.002^365≒207%)。結果として、1年前の自分と比較して2倍の生産性で価値を生み出すことが可能になるんです。地道に思えるかもしれませんが、大切なことだと考えています。

Developers Summitで得たものは、まず、アウトプットしてみる

 ――Developers Summitに参加して得たものを生かすために、本田さんが大切だと考えていることは何でしょうか。

 Developers Summitをインプットの場と考えると、それを受けてアウトプットすることが大切なのではないでしょうか。技術のセッションであれば同じようなものをつくるのもいいですし、良いと思ったことは、まず行動に移すことが大切だと思います。

 あとは、Ask the Speakerで質問するというのもアウトプットの1つの形なのではないでしょうか。平栗のときは長い行列ができていましたが、ためらわずに並んで平栗と話した結果、今回の出会いがあったので。小さな一歩が将来につながっていくのかな、と感じています。

 先ほども少し触れましたが、freeeの価値基準にもまずはアウトプットしてみる、というものがあります。起業時の話ですが、「確定申告までにリリースしなければいけない」という期限が定まっていたため、「まずは作ってみよう」と、悩むよりも先に手を動かした経緯があったと聞いています。そこから企業としてどんどん大きくなっていったので、それが真実なのかな、と思いますね。

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この記事の著者

森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集部/CodeZine編集部所属。映像系美大生、組み込み系ソフトウェアエンジニアを経て2016年10月に翔泳社へ入社。好きな色は青色全般。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/9930 2017/02/01 15:40

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