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クラウドネイティブ時代のデベロッパー生存戦略

業務の50%以上を技術普及に使えるメンバーも!? 技術が集まってくる環境づくりを、ソウゾウ 鶴岡達也さんに聞く

クラウドネイティブ時代のデベロッパー生存戦略 第4回(後編)

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 メルカリグループのソウゾウにて「メルカリ アッテ」の技術選定・開発・運用を担当ののち、開発チームのマネジメントに取り組んでいる鶴岡達也さん。これまでのインタビューでは、メルカリ日本版はさくらインターネットの専用サーバ、US版ではAWS、そしてメルカリ アッテでGoogle Cloud Platform(GCP)と、アプリの要件や開発スタート時の状況に応じて異なるインフラを選択してきたことが語られた。後編では、こうした複数の技術を使い、GCPの経験が浅いエンジニアを育成してきた立場から、新しい技術の学び方や、技術以外にも学ぶべきことについて伺っていく。

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Google App Engineは未来のソフトウェア開発のための技術

株式会社ソウゾウ 執行役員 鶴岡達也さん

株式会社ソウゾウ 執行役員 鶴岡達也さん

 ソウゾウ開発グループのマネージメントを担当。2005年よりウノウ株式会社で写真共有サービスの開発を担当し、その後二度の起業を経験。2013年、メルカリ代表の山田進太郎氏からのオファーを受けて、メルカリ創業を技術的に支援。ソウゾウ設立後は新規サービスの技術選定、設計・開発・運用を担当し、現在は開発グループのチームマネージメントに注力。

吉羽 このシリーズは、「開発者はクラウドを学ぼう」というスタンスなのですが、鶴岡さんは、まずそこに賛同されるかというところと、賛同されるようであればその理由をお聞かせいただけますでしょうか?

鶴岡 そうですね。どのクラウド技術か、何を作る必要があるかによるとは思うんですけど。

吉羽 では、ちょっと質問を変えましょうか。アプリエンジニアもインフラを知っていた方がいいでしょうか?

鶴岡 もちろん知っておいた方がいいと思います。ただ、今後はインフラを知らなくても大規模サービスを作れるのが当たり前になっていくと思います。自動車に例えると、ガソリンエンジンの仕組みを知らなくても動かせるように、インフラを知っていることが競争優位にならない可能性があるでしょう。

 だから1人のアプリエンジニアとして、自分の給与を上げていきたい場合、インフラを学ぶことは成果に直結しないかもしれません。毎秒1万件を捌くインフラを用意してほしいと言われたとき、Google App Engine(GAE)であれば一瞬でできてしまう。なのでどの部分をやっていくかを考えないと。

 僕はインフラに本当に詳しいエンジニアは少なくなっていくと考えていて 、少数のエンジニアが世界中のほとんどのインフラを見ているという世界になると思っています。Googleも、あれだけ巨大な会社で、インフラを見ている人はすごく少ないんですよね。だから昔、世の中のサーバがGoogleとAmazonとMicrosoftに集約されていくという話がありましたけど、そんな未来になりそうな気がします。

吉羽 なるほど。いくつかのインフラベンダへ集約されていくと。

鶴岡 そうです。今でこそサーバにSSHで入っていろいろ操作していますが、そういった作業はなくなっていくでしょう。GAEに関しては完全にそういう世界なので。

吉羽 なるほど。今の話は、PaaSが十分な品質と性能があれば、みんなPaaSを使うということですよね。一方で、PaaSは定期的に揺り戻しがあると思っていて。その辺りはどうお考えですか?

鶴岡 僕がいるソウゾウという会社はGoogleの技術に乗っかっていく方針なんですけど、メルカリグループ全体で見た時には、オンプレミスと主要なクラウド技術の両方を扱っています。そうしたポートフォリオの考えは重要になるでしょう。

 長い目で見ると、GAEは未来のソフトウェア開発の形だと思っています。分かりやすい例で言うと、BigQueryの登場で、分析基盤を社内で作り、分析サーバをメンテナンスするチームを持つような会社はなくなってきてますよね。それと同じことがアプリ開発でも起こると思います。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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吉羽 龍太郎(Ryuzee.com)(ヨシバ リュウタロウ)

 クラウドコンピューティング、DevOps、インフラ構築自動化、アジャイル開発、組織改革を中心にオンサイトでのコンサルティングとトレーニングを提供。 認定スクラムプロフェショナル(CSP) / 認定スクラムマスター(CSM) / 認定スクラムプロダクトオーナー(CSPO)。Developers Summit 2016ベストスピーカー(1位)。 著書に『Amazon Web Services企業導入ガイド』(マイナビ)、...

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