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KUSANAGI✕富士通クラウドでWebシステムを高速化できるワケ――高速化エンジン・AIが新登場

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 WebメディアやECサイトなどでは、事業のスケールとともにサイトのビュー数の増加に伴う表示スピードの低下や、サーバダウンの問題が発生するリスクが高まることも多い。昨今はそれだけでなく、基幹システムのフロントエンドやBtoB事業の顧客向けのサイトにも、UXの向上が求められつつある。こういった課題に対して、エンジニアは多くのリソースを割き、チューニングするが、なかなか改善しないことも多い。だが、そんな課題を解決するソリューションがある。それがプライム・ストラテジーの提供する超高速CMS実行環境「KUSANAGI(くさなぎ)」だ。今年9月より、基幹システムなどで実績がある「FUJITSU Cloud Service for OSS」にKUSANAGIが対応した。これを活用するとどんなメリットが得られるのか。驚きの高速化を実現した同サービスの魅力を紹介する。

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超高速CMS実行環境「KUSANAGI」とは? 高速化実現の裏側

 プライム・ストラテジーがオープンソースライセンスで提供する「KUSANAGI」は、超高速CMS実行環境である。稼働開始4年で累計3万台を突破している。

 KUSANAGIの最大の特長は、高パフォーマンス(高速+安定)を提供すること。どのくらい高速化が実現するかというと、「例えばWordPressの標準のLAMP環境と比べ、ページキャッシュ使用時には数千倍の高速化を実現します。ページキャッシュ非使用時でも10倍~15倍の高速化を実現します」とプライム・ストラテジー代表取締役の中村けん牛氏は語る。

 しかも企業や大学などのエンタープライズ環境で必須になるセキュリティ機能もほぼすべて標準で実装されているという。

プライム・ストラテジー 代表取締役 中村けん牛氏
プライム・ストラテジー 代表取締役 中村けん牛氏

 Webサイト表示の高速化は、クライアント端末から送られるHTTPリクエストからHTTPレンダリングまでの一つ一つの処理を丁寧に最適化・高速化することで実現する。

 一方、Webページの表示速度計測ツールとして一般的に使われるGoogleの「PageSpeed Insights」では、通信からI/Oまでのバックエンドと通信、ファーストビューレンダリングと大きく3つのステップに分かれており、この3つのステップのうち、KUSANAGIが高速化に注力しているのは主にバックエンドである。

 「バックエンドを高速化しても、100点満点のうち一部しかないので、あまり効果がないのでは」と思うかもしれない。だが中村氏は「今後5Gなど、通信帯域が大きくなればなるほど通信部分は差がつかなくなり、バックエンド側の比重が大きくなっていく。今後、KUSANAGIの機能がより重視されていくはず」と断じる。事実、バックエンドの処理に2~3秒かかってしまっているWebサイトがあるからだ。

ファーストビューを高速化する「WEXAL」、人材不足による実装課題もカバーする戦略AI「David」

 とはいえ、ファーストビューレンダリングを高速化することも欠かせない。「『KUSANAGI Premium Edition』を使えば、ほぼ満点にできる」と中村氏は説明する。

 KUSANAGIは用途や規模に応じて、無償版、Business Edition、Premium Editionの3つのエディションを用意している。無償版はKUSANAGIの標準機能のみを提供する、気軽に試してみたい方向け。Business Editionはビジネスユース向けの有償版。「シボレス認証にも対応しているので、特に文教系のサイトで使われることが多いですね」(中村氏)

 Premium Editionはビジネスユース向けの最上位版で、Web高速化エンジン「WEXAL(ウェクサル) Page Speed Technology」と、Webサイトを解析し、表示高速化戦略を立案してエンジンに指示する戦略AI「David」が提供されているからだ。

 「WEXALはオリジナルのシステムを改変することなく、HTMLやCSS、JavaScript、画像などのリソースを最適化することで、Page Speed Insightのスコアを満点近くまで向上します」(中村氏)

 だが、いくらエンジンが優秀でも、これまでは通信からファーストビューレンダリングまでの戦略立案と制御を人間が指示する必要があった。「それを自動化するのが、Davidです。これを活用することで、戦略立案と制御が容易に実現できます」と中村氏。

中村氏のブログでの実証結果。右上が表示最適化を行う「WEXAL® Page Speed Technology」適用前、右下が適用後。
中村氏のブログでの実証結果。表示最適化を行う「WEXAL Page Speed Technology」適用前後。
ここでは、PageSpeed Insightsスコアが53から95に改善した。

 実は、KUSANAGIを開発した背景には、エンジニアの不足があると中村氏は指摘する。

 「例えば15年前にプログラマと呼ばれていた人は、ゲームエンジンを使いながらシナリオを作り込める人を指していましたが、今はそれができる人はハイパーエンジニアやスーパーエンジニアと呼ばれています。つまり以前であれば見習いエンジニアのような人が、今は一人前のエンジニアとして仕事をしているんです。というのも、技術の進化により、そういう人たちでも機能要件を満たす仕組みが作れるようになってきたからです。その半面、非機能要件についてはよくわからない人が増えている。それを解決するソリューションを提供したかった」(中村氏)

基幹系システムにもWebのノウハウが必要―FJCS for OSSとのコラボ

 そんなKUSANAGIが今年9月、「FUJITSU Cloud Service for OSS(以下、FJCS for OSS)」に対応した。「Fujitsu Tech Talk」とのコラボレーションがきっかけとなった。

 「Fujitsu Tech Talk」は、富士通が運営する開発者コミュニティだ。2017年5月に設立され、クラウドやAIなどのテクノロジーやビジネス活用について議論するなど、開発者同士のコミュニケーションを活性化させ、新たな共創を実現する目的がある。

 FJCS for OSSは基幹系システムに多く導入されているが、「Fujitsu Tech Talk」で参加者と情報交換すると、「Webフロントエンド実装に関しては外注に出していると言うんです。これはニーズがあると思いました」と中村氏は話す。

 基幹系システムには常に信頼性が求められることから、システムの安定性などの機能要件への対応が中心となるため、フロントエンドのこととなるとそこまで手が回っていなかったり、外注に出したり、自分たちのできる範囲で対応しているケースが多いという。

 富士通株式会社 クラウドサービス事業本部 クラウドストラテジー統括部 第一ビジネス戦略部部長の谷内康隆氏も、これからはSIerは基幹系システムの開発においても安定性だけでなく、UX向上に注力しなければならないと指摘した。

クラウドサービス事業本部 クラウドストラテジー統括部 第一ビジネス戦略部部長 谷内康隆氏
クラウドサービス事業本部 クラウドストラテジー統括部 第一ビジネス戦略部部長 谷内康隆氏

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FJCS for OSSで、KUSANAGIの性能を存分に発揮できる

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

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