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目視のコードレビューまかせにしない!静的解析ツール「Axivion Suite」で業界最高水準のソフトウェア品質を担保

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各業界のソフトウェア安全基準に積極的に対応、機能安全プロジェクトにも使用可能

 Axivion Suiteは開発現場でどのように活用されているのか。「基本的にCIシステムと統合して使用されることが多い」と平井氏は語る。CIシステムと統合することで、頻繁に解析を行い、問題が検知され、都度、対応していくことができるようになる。つまり開発プロセスの中にリファクタリングのフローを組み込むことが可能になるというわけだ。さらにGUI自動テストも組み込むと、ソースコードに変更が入るたびに、ソースコードの品質確認が自動で行えるようになるという。

 Axivion Suiteが対応している開発言語は、C/C++、C#、QML(QMLはQtのGUIを記述する言語)。これらの言語を使っている企業はもちろんだが、業界別に見てフィットするのは「ソフトウェアの品質について長期間の担保が求められる企業」と小幡氏は話す。いくつか例を挙げると、ファクトリーオートメーション、自動車関連、防衛など、そのライフサイクル自体が長い製品を開発する企業などだ。

 またソフトウェアをクリーンに保つために、AUTOSAR、MISRA、ISOなど、様々な業界のコーディング規約に沿ったソフトウェアを開発しなければならない業界、例えば医療や自動車、防衛産業に携わる企業にもAxivion Suiteは大きな効果をもたらすことが期待できる。

 Axivion Suiteは、ISO 26262(自動車)、EN 50128やEN 50657(鉄道)、IEC 62304(医療)など各安全基準において最高レベルまで認証を受けており、機能安全プロジェクトにも使用可能だ。

 例えばAxivion Suiteは、ドイツの大手医療機器メーカー、シーメンス・ヘルシニアでも導入されている。

 シーメンス・ヘルシニアでは世界中の拠点において開発を行っており、使う言語や習慣、時間帯の異なる開発者の間で、IEC 62304 など様々な規約に準拠したソフトウェアを開発する必要があった。例えば設計はドイツ、開発はインドで行われるようなケースでは、やり取りは英語で行うが、いずれもネイティブではないこと、しかも遠隔なのでコミュニケーションに齟齬が生じることが多かったという。そこでAxivion Suiteを導入。Axivion Suiteにより独自のコーディングルールや品質の閾値(チェッカー)を共有、また、実際のソースコードが設計とあっているかを機械的にチェックできるようなり、コミュニケーションも円滑に進むようになったという。また、Axivion Suiteは異なる開発環境でも統合が容易であり、これも開発効率の向上に貢献したという。

 またドイツの自動車部品メーカー、シェフラーは、ISO 26262に対応する工数を大幅に削減するため、Axivion Suiteを導入した。シェフラーでは従来はFFI(Freedom From Interference)の確認は目視で行っていたが、現在はAxivion Suiteでチェックを自動化している。Axivion Suiteから得られたフィードバックにより、開発者自身が自分のミスを把握できるようになったことに加え、全体のアーキテクチャを考えて設計するようになったので、「開発者のスキルも向上した」と平井氏は説明する。

最新の安全基準やコーディング・ルールにいち早く対応、Qtプラットフォームとの連携も強化が進む

 スマートフォンやタブレットが様々なアプリケーションの中心となった昨今、その他の新しいアプリケーションもどんどん多機能化し、ソフトウェアに求められる要件や開発環境も変わっていく。「Qtはその変化にも柔軟に対応し、GUI開発プラットフォームやAxivion Suiteなどの品質改善ツールで高品質でファンクション・リッチなソフトウェアを開発されるお客さまをサポートしていく予定です」と小幡氏は意気込みを語る。

 最新のAxivion Suite 7.6では、MISRA C:2023が解析対象ルールとして追加された。これは業界で最速の対応である。また最新のC++20も部分的に対応を始めている。

 さらにAxivionがQtの傘下に入ったことで、QtとAxivionの緊密な連携も可能となった。例えばAxivion Suite 7.6では、Qt Rulesという、QtでC++を実装する際に守るべきルールが確認項目として追加されたり、qmllintというQMLのルールチェックをするツールを外部プログラムとして呼び出し、qmllintの解析結果をクローンなどの他の違反と一緒に確認できたりするようになっている。Qt Creator向けにAxivion Suiteのプラグインの開発も進んでおり、それがリリースされると、Qt Creator上で検知された問題を確認したり、ローカルで解析を実行したりすることができるようになるという。

 「シェフラーの例でもわかるように、ソフトウェアの重要性は年々高まっています。ソフトウェアに対する要求が増え、難易度が高まっていく。そのような状況の中で品質を担保していくためにも、ぜひ、Axivion Suiteの活用を検討してほしいと思います」(平井氏)

Axivion Suiteの事例を公開中

 Axivion Suiteは、世界的な大企業で広く採用されています。以下より、自動車関連、エレクトロニクス、医療業界の4社の事例をまとめたPDFをダウンロードいただけます。ぜひご覧ください!

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

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関口 達朗(セキグチ タツロウ)

フリーカメラマン 1985年生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。大学卒業後、小学館スクウェア写真事業部入社。契約満期後、朝日新聞出版写真部にて 政治家、アーティストなどのポートレートを中心に、物イメージカットなどジャンルを問わず撮影。現在自然を愛するフリーカメラマンとして活動中。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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