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Developers Summit 2023 KANSAI セッションレポート(AD)

グローバル市場への拡大を目指すサイボウズが挑む、多国籍のエンジニアリングチームのつくりかた

【Session2】英語ができなかった自分達が、グローバルチーム立ち上げに挑戦!?

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応募数は日本の数十倍、テクノロジー活用と相互理解で多国籍チームを運営

 選考プロセスは日本向けの採用と一緒で「書類選考>技術試験>面接>オファー面談>承諾>入社」と進むものの、それらは全て英語で行われる点が大きく違う。このため、上岡氏のエピソードと同様に、社内で通訳や翻訳を行うコミュニケーターチームのサポートを得た。

 募集の結果、アメリカ、南米、オセアニア、ヨーロッパ、アジアなど多様な地域から応募があった。日本語話者の採用と比較して数十倍の応募数となった。平野氏は業務と並行して採用の活動もやっていたため多忙を極めたというが「予想外の嬉しい悲鳴でした」と振り返る。

 英語話者の採用活動が1年を経過し、開始前に9人だったチームは24人に増えた。一部のメンバーは日本への移住も果たしている。外国籍メンバーは日本国籍メンバーよりも多く1.5倍の比率になった。

メンバの国籍も増え、より多様なチーム編成となった
メンバーの国籍も増え、より多様なチーム編成となった

 採用は順調に進んでいるが、採用だけではなく、実際のチーム運営も課題となった。平野氏は、これまでの経験から、英語によるコミュニケーション、タイムゾーンの違いを意識した働き方、そして異なる文化の理解といった点で新たな発見があったとした。

 「英語のコミュニケーションはやはり難しいです。通訳を行うコミュニケーターチームのリソースは限られていますので、必要な場面のみの参加となっています。そんな状況のなか、テクノロジーの活用が進んでいます。ミーティングではリスニング能力を補うために自動の音声文字起こしや翻訳機能を利用しています。テキストベースのコミュニケーションは翻訳や文章構成のためのツールを活用できるため、口頭と比べて困ることは少ないです」(平野氏)

 平野氏は、時差や異文化を理解することの重要さを実感した。日本の間接的なコミュニケーションや「空気を読む」文化は、日本人にとっては自然でも、外国籍のメンバーには伝わりにくいこともある。このため、明確な指示やコミュニケーションの重要性を再認識した。また、日本のアニメやゲームは世界的に人気があり、文化を越えて受け入れられている。1on1などで、アメリカのメンバーから日本のアニメや芸能についての話題が出ることもあり、日本のエンターテインメントの影響力を実感したという。

 サイボウズでは、こうした活動を支援するべく外国語学習の費用や時間をサポートする制度が導入されている。業務での必要性に応じてサポート内容が異なり、例えば、英語業務に従事する者には学習費用が全額会社から支給される。また、業務として外国語の使用は必須ではないが、個人的に英語を学びたい者や、日本に移住して日本語を学んでいる者には、費用が半額補助される。チームの状況や業務内容にもよるが、業務時間中に言語学習を行うことも認められている。

 平野氏は最後に「グローバルで活躍したいエンジニアを募集しています。世界中で使われる製品を開発したいグローバルチームに興味がある、英語を使って仕事がしたいという方は、お声がけいただけるとうれしいです。採用サイトもぜひチェックしてください」とアピールした。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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