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マルチターゲットアプリ開発の新しいアプローチ~.NET 9 新テンプレートの基本~

.NET MAUI Blazorを使って、AI画像生成アプリのプロジェクトを作成する

マルチターゲットアプリ開発の新しいアプローチ~.NET 9 新テンプレートの基本~ 第2回

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 本連載では、.NET 9で登場した新しいソリューションテンプレートである「.NET MAUI Blazor HybridアプリとWebアプリ」について解説します。前回は、クロスプラットフォーム開発の基本と、.NET 9で新しく追加された「.NET MAUI Blazor HybridアプリとWebアプリ」テンプレートについて解説しました。第2回となる今回は、このテンプレートを使って実際にプロジェクトを作成し、プロジェクト内に共有UIコンポーネントを実装して、各プロジェクトでの表示を確認します。

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新規プロジェクトの作成

 本連載では、新しいテンプレートをベースに、プロンプト(テキスト)を入力して画像を生成するAI画像生成アプリを開発します。今回と次回は、Webブラウザー上で動作するWebアプリと、Windowsで動作するネイティブアプリの両方で、共通のUIとロジックが機能することを確認します。

 今回は、以下のアプリを作成します。

ブラウザで実行されたWebの画面
ブラウザで実行されたWebの画面

 まずは、Visual Studioを使って新しいプロジェクトを作成してみましょう。

 VisualStudio 2022を起動し、「新しいプロジェクトの作成」を選択します。検索ボックスにmauiと入力すると、利用可能なMAUIプロジェクトテンプレートが表示されます。その中から「.NET MAUI Blazor HybridアプリとWebアプリ」を選択します。

 プロジェクト名をImageGeneratorとし、作成ボタンをクリックします。続いて表示される追加情報の画面で、「対話型レンダリングモード」は「サーバー」を選択します。

 これはUIの処理をどこで行うかを設定する項目です。「サーバー」はサーバー側で処理するため初回表示が速く、「WebAssembly」はブラウザ側で処理するためオフラインでも動作します。「自動」は両者を組み合わせたモードです。

 今回はシンプルな「サーバー」モードを使用します。また、「サンプルページを含める」と「最上位レベルのステートメントを使用しない」にチェックを入れておきます。

新規プロジェクトの追加情報
新規プロジェクトの追加情報

 生成が完了すると、次の三つのプロジェクトがソリューションエクスプローラーに表示されます。

(1)ImageGenerator(.NET MAUIプロジェクト)

  • Windows、Android、iOS、macOSなどで動作するネイティブアプリ
  • MainPage.xamlには、BlazorWebViewコントロールが含まれる
  • プラットフォーム固有のコードは、Platformsフォルダに格納
  • MAUIに関する設定は、MauiProgram.csで管理

(2)ImageGenerator.Shared(共通コードを含むRazorクラスライブラリ)

  • MAUIとWebの両方で共有するコードを格納
  • Layout、PagesフォルダにRazorコンポーネントを配置
  • wwwrootフォルダに、CSSなどの静的ファイルを格納
  • このプロジェクトを介して、UIとロジックを共有化

(3)ImageGenerator.Web(Blazor Webアプリプロジェクト)

  • Webブラウザで動作するアプリケーション
  • Program.csでWebアプリの設定を行い、App.razorがエントリーポイント
  • Sharedプロジェクトのコンポーネントを参照して表示

 ImageGeneratorとImageGenerator.Webの両方が、ImageGenerator.Sharedを参照しています。これにより、Sharedプロジェクト内のコンポーネントやサービスを両方のアプリで使用できます。

3つの初期プロジェクト
3つの初期プロジェクト

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共有UIコンポーネントの作成

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 高江 賢(タカエ ケン)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

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