SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Zend Framework入門

Zend Framework入門(5):PHPでMVCアプリケーションを構築しよう - Zend_Controller(後編) -

Zend Frameworkによる実践的なPHPアプリケーション開発 5


  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プラグイン

 ここからはプラグインの使用について見ていきます。前回紹介した「Zend_Controller_Plugin_ErrorHandler」は、標準で含まれるプラグインです。

プラグインの書き方

 プラグインは、Zend_Controller_Plugin_Abstractを継承して作成します。実行されるきっかけとなる発生イベントについては、以下のイベントメソッドがあります。前回アクションコントローラの項で紹介した「preDispatch()」や「postDispatch()」もあり、さらにそれ以外にも広く用意されているのが分かります。

イベントメソッドのタイミング
イベントメソッド タイミング
routeStartup() ルーティングに入る前
routeShutdown() ルーティングの終了後
dispatchLoopStartup() ディスパッチループに入る前
preDispatch() アクションのディスパッチ前
postDispatch() アクションのディスパッチ後
dispatchLoopShutdown() ディスパッチループの終了後

 また、プラグインからは「getRequest()」や「getResponse()」を用いてリクエストオブジェクト・レスポンスオブジェクトを操作することもできます。

使い方

 プラグインを利用するには、フロントコントローラ内で「Zend_Controller_Front::registerPlugin()」でプラグインクラスを登録します。これで、イベント発生時にプラグイン内の該当する処理がなされることになります。その他、次のようなメソッドが用意されています。

プラグイン関連メソッド
メソッド 内容
getPlugin($class) 登録されたプラグインを取得
getPlugins() 登録されたプラグインをまとめて取得
unregisterPlugin($plugin) プラグインを登録解除。$pluginにはオブジェクトかクラス(一致するプラグインがすべて該当)を指定

サンプル

 最後にプラグインを使用したごく簡単なサンプルを示します。

index.php
<?php
require_once 'Zend/Controller/Front.php';

class CodezinePlugin extends Zend_Controller_Plugin_Abstract
{
    public function dispatchLoopStartup(
        Zend_Controller_Request_Abstract $request)
    {
        $this->getRequest()->setControllerName('wings');
        $this->getRequest()->setActionName('codezine');
    }
}

$front=Zend_Controller_Front::getInstance();

...

$front->setControllerDirectory('../zendapps/controllers');
//$front->registerPlugin(new CodezinePlugin());
$front->dispatch();

 registerPlugin()の行のコメントをはずしてみてください。「dispatchLoopStartup()」内でリクエストオブジェクトを操作し、どのようなURIが指定されようともWingsコントローラのcodezineアクションにディスパッチされるようにしてしまいます。例えばサイトのメンテナンスなどですべてのアクセスを「只今メンテナンス中です」などのページへ一時的に繋ぎたい場合など、このような方法も使えるかもしれません。

サンプル実行結果
サンプル実行結果

まとめ

 Zend_Controller後編となる今回は、コントローラの機能を拡張するアクションヘルパーとプラグインについて紹介しました。次回からはZend Frameworkにおいてデータベースアクセスを担うZend_Dbについて解説します。

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Zend Framework入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 川北 季(カワキタ ミノル)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/2341 2008/10/06 11:16

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング