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Bjarne Stroustrup氏との対話

設計者が考える、C++開発者の現状とは?
~Bjarne Stroustrup氏との対話~

第4回

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 この連載では、Bjarne Stroustrup氏へのメールインタビューを通して、プログラミング言語設計者の生の声を読者の皆様に直接お伝えしたいと思います。今回は、 Stroustrup氏が考える現在の「C++開発者の動向」について伺いました。言語誕生の瞬間からC++開発者を見守り続けている同氏は、現状をどのように考えているのでしょう?

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はじめに

 ソフトウェア業界はいろいろな特徴を持っています。その特徴の1つに、競争の激しさがあります。先日、Google社はChromeというブラウザを発表しました。発表したからには、先行する他のブラウザのシェアを奪い、多くのユーザーを獲得しなければなりません。Chrome開発チームは、ベンチマークテスト結果などを公表しながら、自分たちのブラウザの優秀さを売り込みに出ています。ブラウザ競争は当然激しさを増します。

 ところで、既存ブラウザの開発チームは公開されるベンチマークテスト結果などを黙ってみているのでしょうか。その胸の内はどのようなものなのでしょうか。Chrome開発チームが公開するテスト結果は、既存ブラウザの、例えば、処理速度が遅い、などの相対値を示しているはずです。筆者は既存ブラウザ開発者たちの胸の内が大変気になります。心穏やかならず、といったところでしょう。反論もしたいところでしょう。激昂している人もいるかもしれません。C++を設計・実装したStroustrup氏も同じような経験をしています。

大学でのStroustrup氏の講義には、多くの学生が集まる
大学でのStroustrup氏の講義には、多くの学生が集まる

今回の質問意図

 Stroustrup氏は強烈な個性を持った人です。同氏は、自分が設計・実装したC++に関して、"それは自分の世界観の表現である!"、と公言してはばかりません。この言葉には、C++への限りない愛情と断固たる自信が示されています。

 私たちは現在、Perl、PHP、Java、あるいは、C#といった多くのプログラミング言語を利用できます。プログラミング言語の選択・採用権は、言語の設計者側の希望や期待ではなく、あくまでもソフトウェア開発者側にあります。この10年間ほどは大規模Webアプリケーション案件が増え、その過程ではC/C++離れが進んだといわれます。ところが最近、C++を採用する開発者の数が増えているという情報を目にしました(参照ページ:The Programming Languages Beacon September 2008 )。実際のところはどうなのでしょうか。C++を設計した本人はどのような気持ちでいるのでしょうか。また、増えているとすれば、その原因はどこにあるのでしょうか。お尋ねしました。

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この記事の著者

豊田 孝(トヨタ タカシ)

「Windows PowerShell実践スクリプティング―オブジェクト指向と集合指向の統合シェル」(秀和システム発行)と「IT技術者として生き抜くための十ヶ条」(翔泳社発行)の近著2冊にて本音の数%を吐露。最近の活動傾向は、こちらを参照してください。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/3054 2008/10/15 14:00

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