はじめに
Googleが提供するモバイルプラットフォーム「Android」(アンドロイド)でこれから開発を始めるにあたり、必要な知識や技術をテーマ別に紹介して行きます。
本連載の記事は、主に筆者が勉強会やセミナー等で講演した内容に基づいて構成されています。また、各記事は基本的に独立しています。
対象読者
- これからAndroidを学ぶ人
- 既にAndroidを学んでいるが、さらに知識を深めたい人
- 著者の勉強会・セミナーに参加された人
Android開発に必要な環境
Androidアプリケーションの開発環境として下記が必要です。
- Android 1.5 SDK Release 3
- Eclipse IDE、またはその他のIDE環境(後述)
また、SDKがサポートしているOSは下記の通りです。
- Windows XP(32-bit)、Windows Vista(32-bit/64-bit)
- Mac OS X 10.4.8 or later(x86のみ)
- Linux(Linux Ubuntu Dapper Drakeでテスト済み)
Eclipse IDEの場合:
- Eclipse 3.3/3.4(Europa/Ganymede)と、Eclipse JDTプラグイン(大抵のパッケージに含まれています)
- JDK 5 or JDK 6(JRE単体では動作しません)
- Android Development Tools plugin(通称:ADT)
推奨パッケージは、日本語ディストリビューションである「Pleiades All in One Java 3.4.2.20090426」 です。一方、「Eclipse Classic IDE」パッケージはサポートされていません。なお、Gnu Compiler for Java(gcj)とは互換性がありません。
Eclipse IDE以外の場合:
- JDK 5/6(JRE単体では動作しません)
- Apache Ant 1.6.5以降(LinuxとMacの場合)、1.7以降(Windowsの場合)
こちらもGnu Compiler for Java(gcj)とは互換性がありません。
また、CやC++のネイティブコードを使ってアプリケーションを開発したい場合は、上記に加え下記の環境が必要です。一般に、既存のC/C++のコードを再利用したり、パフォーマンスのよいライブラリを作成したりする用途が考えられます。
- Android 1.5 NDK Release 1
- GNU Make 3.81以降(これ以前のバージョンも動作する可能性はありますが、テストされていません)
- Windowsのみ最新バージョンのCygwinが必要です。また、gmakeおよびgccのパッケージのインストールを行っている必要があります。
動作確認環境
基本的にAndroid SDKにはエミュレーターが内蔵されているため、パソコンがあれば開発から動作確認まで一通りの工程が行えますが、開発実機があるとなお良いでしょう。実機があると、開発の実感が沸いてモチベーションが高まります。
- エミュレーター
大抵の確認はPC上で行うことが可能です。
- DevPhone 1
Google公式の開発専用携帯電話。ただし、日本国内での電波の使用は電波法に抵触する可能性があるため注意。
- NTT DoCoMo HT-03A
NTTドコモの携帯電話:ネイティブ開発はできません。