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並列処理化による処理速度への影響

処理並列は、必ず処理速度が向上するのか

3つのアルゴリズムを並列化

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 3つのアルゴリズムを並列化して、並列化によってどのように処理効率が向上するのか、検証します。

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はじめに

 CPUは、コンピューターの頭脳です。単純に考えると、頭脳が2つあれば、1つの時と比べて、同じ時間でたくさんのことを考えることができそうです。10年ほど前、Intel製プロセッサーPentium IIの頃から、1枚のボードに複数のCPUを載せて高速化する試みがなされました。Intel製CPUでは2ユニットまででしたが、SUN Microsystems製のコンピューターでは、もっとたくさんのユニットを載せることができていました。今では、CPU自体に複数の「コア」を載せ、1ユニットで同時に別々のことを実行できるようになっています。

 ハードウェアが、同時に複数のことを実行できるようになったため、ソフトウェアもそれに対応する必要が出てきました。本記事では、昨今あちらこちらで声高に繰り返される、「並列処理化すれば速くなる」に疑問を持ったため、それを検証することにします。

対象読者

 なんといっても、並列処理化に興味のある方が対象です。特に、「並列化すれば速くなる」と、単純に思い込んでいる方に、読んでもらいたいと思います。

 本記事では、Visual C++ 2008を元に、基本的にC言語によるコードにより、検証を行います。よって、ある程度のC言語の知識があるとよいでしょう。しかし、処理は日本語で説明をするようにしますので、C言語の文法を知っている必要はありません。

必要な環境

 本記事を読む分には、特別な環境を必要としません。

 本記事で紹介するコード例を試すには、Visual Studio C++ 2008を使用します。また、実際に差異を見るためには、タスクマネージャーで複数のCPU使用履歴が表示されるPCが必要です。

並列処理化の有用性を検証する

どうやって検証するか

 まず、検証方法を設計します。どういう仮説があって、その仮説が正しいことを証明するためには、どの様な実験から、どの様な結果が出ればよいのか。これらを明らかにしておかなければ「検証」ではなく、「観察」になってしまいます。

 本記事は「並列化すれば速くなる」という仮定を検証します。このために、いくつかのアルゴリズムについてコードを作成します。そのコードを、Open MPによってマルチスレッド化します。シングル、マルチスレッドで実行完了までにかかる時間を計測し、それぞれマルチスレッドによってどれくらい実行時間が短縮できたかを算出します。短縮時間を比べることで、マルチスレッド化がどのようなな時にも有効なのか、調査することとします。

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アルゴリズム1:素数を求める

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この記事の著者

はなおかじった(ハナオカジッタ)

わんくま同盟で、ブログを書いています。2004年10月から5年間連続で、Microsoft Most Valueable Professional Award for ASP/ASP.NET を受賞させていただきました。コミュニティの皆様のおかげです。ありがとうございます。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/4914 2010/03/04 14:00

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