はじめに
Web上でデータを取得する形式には以下の表のようにXML、RSS、JSON、CSV、KMLなどさまざまな形式があります。
形式 | 概要 |
XML | 文書やデータの意味や構造を記述するためのマークアップ言語の一つ。使用者が独自のタグを指定することができるファイル形式 |
RSS | ウェブサイトの更新情報などを簡単にまとめ、配信するためのXMLベースのファイル形式 |
JSON | JavaScriptのオブジェクト表記構文でデータを記述するファイル形式 |
CSV | データをカンマ(,)で区切って並べたファイル形式 |
KML | 地理データの表示に使用するXMLベースのファイル形式 |
その形式の1つであるJSON(JavaScript Object Nonation)は、テキストベースのデータ記述方式です。JavaScriptの連想配列が構文の基礎となっているため、JavaScriptからの呼び出しが容易にできます。JSONにはJSONP(JSON with Padding)というJavaScriptの関数をコールバックする仕組みがあり、データの取得が完了すると指定したJavaScriptの関数(コールバック関数)を実行できます。
Ajaxで利用されるXMLHttpRequestオブジェクトには他のドメインのサイトへはリクエストを送信できない制限(クロスドメイン制限)があり、異なるサーバ間でデータのやり取りができません。しかし、Scriptタグを使用すると他のサーバ上のJavaScriptファイルを読み込むことができます。Scriptタグで読み込むJavaScriptの中にデータを作成しておくことで、異なるサーバ間でデータのやり取りが可能となります。
JSONPを利用すると、異なるドメインからScriptタグでJavaScriptが読み込まれた際にコールバック関数を使ってサーバ内のデータを呼び出し元のサーバに動的に渡すことが可能となります。上記をまとめると、次の図のようになります。
外部からアクセス可能な形式でさまざまなランキングを公開しているgooランキング、APIを利用するとXML形式で商品データの取得が可能なAmazonというサイトがあります。また、HTMLの編集が可能で、Scriptタグで外部サーバのJavaScriptの読み込みができるブログにFC2ブログ、DTIブログがあります。
本記事ではそれらのサイトやブログを利用して、外部サイトから取得したデータをJSONPを利用してブログパーツとしてブログ上に表示させる方法について説明します。
今回使用するライブラリは次のとおりです。
ライブラリ名 | 概要 |
Services_JSON | PHPの変数をJSON関数に変換するライブラリ |
MagpieRSS | RSSを取得して解析するライブラリ |
Services_Amazon | PHPからAmazonのAPIを利用するためのライブラリ |
上記のライブラリを利用してデータを取得するところからブログパーツとして表示するところまで順を追って説明します。また、今回作成するシステムのイメージ図は次のようになります。