IBMは13日、システム開発者がアプリケーション上で自己修復機能を構築するための、新たなソフトウェア・ツールである「IBM Build to Manage Toolkit for Problem Determination」を発表した。
IBMは13日、システム開発者がアプリケーション上で自己修復機能を構築するための、新たなソフトウェア・ツールである「IBM Build to Manage Toolkit for Problem Determination」を発表した。これらの機能を使用すると、ITシステムの問題解決にこれまで手作業で費やしていた時間を最大80%節約できる。
現在ITシステムでは、一つのITコンポーネントに技術上の問題が発生すると、数十もの他のエラーが引き起こされ、問題がさらに複雑になるドミノ効果を引き起こすことがある。また、問題のトラブルシューティングを手作業で行う場合、故障が発生したポイントまで一歩ずつ問題を追跡する必要もでてしまう。そのため、IT専門家のチームが問題解決のために数時間、あるいは数日間費やすこともある。実際、米国の調査会社であるEnterprise Management Associates社は、IT担当者が費やす時間のうち、問題の原因を突き止めるための作業が50~80%を占めているのに対し、修復に費やす時間は15~20%であると推定している。
このソフトウェアを使用すると、アプリケーション開発時にシステム開発者は、問題のシンプトン(症状)のカタログを作成できるため、経験知に基づいた問題解決が可能になる。またこのシンプトンカタログは、実質的に自動化されているため、アプリケーションの導入・実行時に類似の問題が発生した場合、運用担当者は時間と費用を節約することもできる。このカタログは、シンプトンやソリューションを後から追加し、さらに充実させていくことも可能としている。
尚、今回の発表についてIBMのオートノミック・コンピューティング担当バイス・プレジデント、Dave Bartlett氏は「オープン標準は、自己管理・自己修復技術を構築する鍵となる。このソフトウェアによって、IBMはよりスマートなシステムを実現するアプリケーションやサービスをシステム開発者が短期間で構築することに貢献し、企業のコストを削減できる」と述べている。
IBMプレスリリース :自己修復ソフトウェアが“症状”に基づきIT上の問題を分析 次世代の問題判別ソフトウェアが、経験知を活用して解決法を提示
日経プレスリリース:米IBM、アプリケーション上で自己修復機能を構築するソフトウェア・ツールを発表
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