Shoeisha Technology Media

CodeZine(コードジン)

記事種別から探す

【デブサミ2014】13-E-3 レポート
「クラウド時代の環境構築・デプロイ自動化戦略」

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2014/03/10 14:00

 クラウド環境における『自動化』は、効率化を図って繰り返しや大規模環境に対応させていくことはもちろん、ビジネスの速度にサービスが追従していくために欠かせないものです。2013年04月にアマゾンデータサービスジャパンにジョインし、スクラムに関するあらゆるスキルを兼ね備え、関連著書も非常に評判の高い吉羽龍太郎氏のセッションでそのポイントを聞いてきました。本稿はそのセッションレポートです。

目次

ビジネスの要求と自動化が必要な背景、
そしてAWSが実現するフィードバックループ

 冒頭、吉羽氏は「何で自動化が必要なのか? まずはそこから話を進めていく必要があります」とセッショントークを切り出しました。「これまでの情報システムやアプリケーションは、いわゆる『業務効率化』のためにシステム化されてきた背景・経緯があります。対して現在では『企業の生存戦略の一貫』としての側面が求められるようになってきています。またゲームの分野では、システムを使ってもらうことがお金を稼ぐことにも直結するため、そのような「稼げるシステム」を構築することが重要な要素となってきました。ビジネス上の目的を達成するためにITを使う時代なのです」と現在の状況を説明。

 Amazonのビジネスモデルは、以下の画像のようなサイクルを回すことで成り立っています。これがコスト削減につながり、低価格構造を作り出します。

 次いで『ビジネスは変化するもの』と吉羽氏は強調。安泰だった業界構造がガラリと変わってしまったり、ビジネスがうまくいかなくなってしまったりすることもあるでしょう。新規ビジネスを考える場合、"一発必中"を目指しがちですが、これは幻想であり、数を沢山打たなければ当たらない。当たらないという前提で物事を考え、うまくいっていない場合はそれらを把握できる仕掛けが必要である、ダメなものをやめるという選択肢を持つことが何より大事なのだ、と説きました。

 これは『リーンスタートアップ』に通ずる考えです。フィードバックのループを回し、顧客とビジネスの間のフィードバックループを加速させ、顧客の期待に応え続けていかなければなりません。Amazonはこれを、イノベーションのペースを加速させ2013年時点で大小併せて200以上のサービスをリリースすることで実現しています。「オプションの揃った完成形を出すのではなく、最低限のサービスをリリース、それによってフィードバックを得て、速い速度でデリバリーしている。潜伏期間を設けて完全版ではなく、継続的な機能拡張を行っている。ビッグバンを避けているのです」とAWSの取り組み方について吉羽氏は解説しました。

自動化しないリスクについて

 では、『自動化しないリスク』には何があるでしょうか。これについて吉羽氏は数々の問題点を指摘します。

  • デプロイの作業は繰り返され、環境構築作業は何度も行われるが、手作業でやるとなると手順書がメンテされないリスクが高まります。もちろん、リリースごとに手順が違うなんてことはあってはならない状況です。
  • 手作業でマニュアル作業として行うことで、当然間違うリスクが高くなる。複数人で対応したとしても同様。人手でやると必ず間違えます。
  • 華麗なデプロイを行う、いわゆる『デプロイ職人』がチーム内にいるかもしれませんが、結果としてはその人しか対応できなくなってしまいます。
  • 対象が増えると、1台だけデプロイ間違えたり、漏れたりと作業を失敗するリスクが増加してしまうという状況も当然ながら発生します。
  • 人海戦術で対応したとしても、単なる問題の先送りとなってしまい、かえって問題がもっと大変なものになってしまいます。

 これらの結果、いつもデプロイに自信を持てない状況となってしまい、毎度"清水の舞台から飛び降りる"思いをしなければならなくなる。そしてさらにプロセスが重くなる、という状況になってしまうのだ、と説明しました。

自動化に向けた全体戦略

 では、自動化に向けて前に進んでみましょう。その際、『なぜ自動化したいのか?』そして『投資対効果』を見極めることが重要であると吉羽氏は説きます。自動化については、作業の実行回数や費用を比較してみることが大事ですが、自動化した方が早くに効果的となることは数字上でも明確。ぜひ手作業でやっているものがあれば人件費に直して比較してみると良いでしょう。自動化の原則:5R(Rapid/Reliable/Repeatable/Reduce risk/Roll back)や、自動化を進めていく際に、顧客や上司の理解を得ることも必要であると重ねて説明しました。


  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • しんや(シンヤ)

    2010年末~2013年前半位までの期間で興味のある勉強会に頻繁に参加。参加してきた勉強会のレポートブログとTogetterをひたすらまとめ続け、まとめ職人(自称/他称含む)として暫く過ごしておりました。色々な縁あってDevelopers Summit 2013では『公募レポーター』も務めました。...

バックナンバー

連載:【デブサミ2014】セッションレポート

もっと読む

All contents copyright © 2005-2017 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5