本連載では、さくらインターネット研究所が独自に調査研究を行った3~5年先に必要とされる新技術とその在り方についてご紹介いたします。「明日にでも、すぐ実用!」という技術ではなく、少し先の未来の技術について情報共有致しますので、タイトルを「明後日の~」としています。今回も前回に引き続き、3月に開催されたMWC(Mobile World Congress)2014でも数多くの発表があったIoT(Internet of Things)について見ていきましょう。
IoT時代に知っておくべきテクノロジー
前回のおさらいを兼ねて、IoTを取り巻く環境について紹介します。IoTは「500億台がつながる未来!」と壮大なビジョンが描かれている関係で、さまざまな産業の適用性が示されます。しかし各産業にはすでにマーケットを持つ企業が必ず存在し、参入障壁も存在します。IoT市場へ参入するにもエリアを絞っていくことが重要なのです(図1)。
つぎに、IoT時代に知っておくべきテクノロジーについて見ていきましょう。IoT(Intenet of Things)というぐらいにインターネットを経由してデバイス(モノ)がつながっていく世界です。では、センサデバイスからの情報収集や一斉同報通知などには、どのようなテクノロジーが使われているのでしょうか?
図2は、IoTで使われる通信プロトコルの「これが主流となりそうかな…」という技術をピックアップしました。
選定ポイントは「ユーザ認証が利用可能なこと」と「通信経路が暗号化されていること」の2つを加味しています。
ご覧頂くとIoTデバイスには、センサデバイスを切り離して使うモノと一体型のモノがあることが分かります。前回ご紹介したセンサデバイスのいくつかは、スマートフォンと連携して使われる「切り離して使うモノ」です。
一体型のモノについては、WiFi組み込み型のセンサデバイスは多数存在していますが、3G/4G/LTEに対応した組み込み型SIM搭載型のものは、やっとこれから出てく準備が整ってきたという段階です。
つづいて、Webサービス事業者から見た「IoTの知っておくべきテクノロジー」にフォーカスして見ていきましょう。
図3は、図2上位通信プロトコルのみにフォーカスして抽象化したものです。IoTではMQTT(MQ Telemetry Transport)と呼ばれるPublish/Subscribe型の軽量プロトコルをSSL暗号化を伴って使うケース、もしくはRESTfullなHTTPSを使うケースが想定されています。いずれもユーザ認証と暗号化を伴ってデータ送受信を行うため、インターネット上を介しても安全なデータ通信が可能となっています。
センサデバイスを切り離して使うモノは、スマートフォンとの間でBLE(Bluetooth Low Energy)と呼ばれる通信プロトコルで制御されますが、直接インターネットにつながることはありません。
これらを整理すると、図4のようになります。
BLE(Bluetooth Low Energy)対応のウェアラブルデバイスは、すでに多くが市場に流通されており、これを「IoTだ!」という人々も多くなってきました(少々やっかいですね……)。また、センサデバイスが直接WiFi経由でデータ送受信を行うモノも多数ありますが、独自プロトコルや、定まっていない規格や規約で使われている場合も多くあります。
最後に、3G/4G/LTE対応の組み込み型SIMと通信モジュールを直接センサデバイスに組み込んだモノも今後普及が期待されています。Mobile World Congress 2014のセッションでも、組み込み型SIMに関する発表が行われていました。しかし、残念ながら海外規格の組み込み型SIMの発表なので、日本国内での動向とは一致しません。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
松本 直人(マツモト ナオト)
1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア




