通信の速度や安定性
Lync OnlineはWeb会議の側面を持つため、インターネット機器やインターネット回線、プロバイダーなど、他のサービスよりも低レイヤーとなる通信回線の速度や安定性を意識することが多くなります。
特に導入開始時などには、接続周りの設定で苦労することもあるでしょう。例えば、特定端末では速度が出ない、Web会議で動画が遅延する。複数拠点でWeb会議を実施した時に特定拠点だけ異様に遅延してWeb会議になりにくいなどが、あり得る問題です。
そのような回線周りのトラブルはネットワーク知識も求められますが、Lync管理センターではトラブルシューティング情報の診断ツールやアナライザーツールが提供されています。
Lync管理センターの左メニューの一番下に表示されている[ツール]を選択すると、それらのツールへのリンクと概要が表示されています(図13)。
企業の環境によりトラブル原因は異なるため、今回は細かな紹介はしませんが、Lyncを導入するための事前検証。または、運用開始後にWeb会議のパフォーマンスを改善したい場合はこれらのツールを活用し、現状分析を行い改善提案をすると良いでしょう。
著者の会社のケースとなりますが、実際に複数拠点でWeb会議を実施した結果、ネットワーク回線速度に問題があること、拠点のネットワーク機器のパフォーマンスが低いことなどが判明しました。ネットワーク回線を切り替えたり、インターネット機器の交換を行ったりした結果パフォーマンスが改善し、Lync会議が積極的に活用されるようになりました。
Office 365のサポートに対してサービスリクエストを行う際も、ツールの実行結果などがあることでより迅速に解決への道筋を見つけられるので、管理者の方は是非活用してみてください。
まとめ
今回はLync Onlineについてご紹介しました。Lync Online自身はこれまで紹介してきたサービスよりも、非常に簡単に全体設定ができることを感じて頂けたのではないでしょうか。
その分、運用開始時におけるユーザーへの配慮やネットワーク知識が必要となりますので、管理者の方は他のサービスとは少し違う観点で管理を実施してみてください。
また、「チャットなんて遊びだ!」という認識を持たれている管理職の方も多い職場においても、ファイル共有、内線不要等メリットを体感し始めると、内線ではなくLyncのチャットによる簡易確認などが主流になりますので、是非こちらの恩恵も体験してみてください。
次回はOffice 365で提供されているOffice 365 ProPlusについて簡単にご紹介予定です。お楽しみに。