はじめに
みなさん、エディタは何を使っていますか? プログラミング用途では情報が豊富なテキストエディタですが、筆者は文章の執筆・編集用途で使いたかったため、ほしい情報があまりまとまっておらず、何を使えば効率よく作業ができるか、しばし悩んでいました。本稿では、IT系技術記事の新人編集者である筆者が、比較的新しめのエディタ「Atom」で、日本語を執筆・編集するために行った環境構築について解説します。日本語をエディタで快適に扱いたいというエンジニアの方にお役に立てるものとなれば幸いです。
また記事の内容については、掲載時にざっと確認はしておりますが、基本的には執筆時点(2015年2月)のものであることをご了承ください。
対象読者
- テキストエディタで日本語を執筆・編集したい方
- Atomを使ってみたい方
必要な環境
- Windows 7/8
なぜAtomなのか
筆者は今の編集部に加わる前から、文章を書いたりWebのコーディングをしたりしていましたが、その時は個人のPC(Mac)で「Sublime Text」を使用していました。編集の仕事をするようになり、会社PCはWindowsという環境下で、Sublime Textがあまりにも日本語入力が不自由(※1)なことに辟易し、どんなエディタが自分に合うか、ずっと試行錯誤をしていました。
そもそも、単なる文章の執筆だけなら高度な機能は必要とせず、それこそメモ帳やWord、Evernoteみたいなものでも構わないのですが、私の仕事であるIT系技術記事の編集となると「プログラミングに支障がないくらいの拡張性の高さ」と「日本語の扱いやすさ」の両方を満たしているものを使いたいものです。自分でもコード書いたりしたいですし。
入社してしばらくは、サクラエディタを利用していました。軽くて機能もそこそこで、悪いわけではなかったのですが、「カッコイイエディタが使いたい!」というのと、画面の白さに「眼ぇしんどい!」という思いが募り……。結城浩先生の「Vimで快適執筆環境」(※2)という記事を読んで、Vimへのあこがれを高めたこともありましたが、やはりあの独特なキーバインドは習得に時間が掛かりそうで、環境構築だけで挫折してしまいました。
そんななか、GitHub社が開発した新エディタ「Atom」がWindowsに対応したという公式発表がされました(※3)。試しに入れて触ってみると、Sublime Textで感じた、日本語対応に関する致命的な問題はなく、多少のカスタマイズをすることで、文章の執筆、編集になかなか使えるヤツだと思えるようになりました。何しろ、2014年2月にパブリックベータ版が出たばかり(※4)なので、今から触っておくと普及したときにドヤ顔できるかも、しかもなんだかカワイイし! ということでAtomを原稿整理のお供としてみることになったのです。
注
※1 日本語がインラインで入力されない、Shift-JISに対応していない、日本語の検索置換に不具合があるという致命的な問題がありました。現在は解決策があるようです。
※2 「Vimで快適執筆環境」
Atomのインストール
Windows版Atomは、公式サイトからダウンロードできます。[Download Windows Installer]をクリックし、ダウンロードしたインストーラーからインストールしてください。
Windows版Atomがリリースされた当初は自動アップデート機能がなかったため、Chocolatey経由でのダウンロードが推奨されていました。Chocolateyとは、Windowsで使えるパッケージ管理システムで、OS XでいうHomebrewのようなものです。
現在は自動アップデートに対応しているので、もしChocolatey経由でダウンロードした方は、公式ブログに従ってChocolatey版をアンインストールしたのちに、インストーラーから入れなおしてみてください。設定などは保持されています。