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いまさら聞けないクラウドのアレコレ

いまさら聞けないクラウドのアレコレ(3)
~クラウド使いが乗り越えるべき壁~

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 本連載では、すでに5年を経過しようとしている日本のクラウド業界動向を、さくらインターネット研究所の独自調査に基づきご紹介します。今回は『いまさら聞けないクラウドのアレコレ(3)~クラウド使いが乗り越えるべき壁~』として、私たちを取り巻くコンピューティング環境の変化と実際を見ていきましょう。

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スタートアップ企業が乗り越えるべき成長のジレンマ

 前回、『いまさら聞けないクラウドのアレコレ(2)~スタートアップ企業のジレンマ~』として、インスタンス数1,000を超えたあたりから、利用か保有かの選択肢が出てくるという視点を情報共有しました。この部分を彼らは「グレーゾーン」と表記しており、筆者はここを「成長のジレンマ」と考えています(図1)。

図1. スタートアップ企業が抱える成長のジレンマとクラウドの関係性
図1. スタートアップ企業が抱える成長のジレンマとクラウドの関係性

 再び同じ言葉の引用ですが、コンピューティング資源を「利用する」か「保有する」かその選択は、どのようスタートアップ企業であれ成長が持続する間は必ず迎えるターニングポイントの一つです。

 プライベートクラウド、パブリッククラウド、サーバー仮想化、データセンターの利用とスタートアップ企業は、確実にどこかで成長のジレンマと選択を迫られることになります(図2)。

図2. スタートアップ企業におけるパブリッククラウド利用推定
図2. スタートアップ企業におけるパブリッククラウド利用推定

 では、つぎにそんなNefilix社が、どのようにして成長のジレンマを乗り越えてきたのか、システム基盤の変遷から見ていきましょう(図3)。

 Netfilix社のサービス向けシステム基盤は当初、外部CDN利用とデータセンター利用による完全な保有モデルであった時期があります。それがある転換点からCDN自社開発とAmazon Web Services利用という利用モデルになっていったのです。サービス向けシステム基盤は、いわばスタートアップ企業の屋台骨を支える重要項目です。それをどのように継続的に拡張し運用していくか、やはり悩ましい問題であることに洋の東西は関係ありません。

図3. Netflix社におけるシステム基盤の変遷
図3. Netflix社におけるシステム基盤の変遷

 では、Netfilix社はなぜ、このようなサービス向けシステム基盤という重要項目に対して、利用モデルという選択に至ったのか、次に見ていきましょう。

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

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https://codezine.jp/article/detail/8649 2015/06/01 14:00

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