CompTIAとは
CompTIAは、118か国のコンピュータ系事業者、通信系事業者など約4,000機関からなるIT業界団体です。1982年設立。規格標準化の提言を中心に、リサーチ、CompTIA認定資格の認定といった活動を行っています。 米国の団体(本部:イリノイ州・シカゴ)ですが、カナダ、イギリス、ドイツ、日本(2001年4月設立)など海外にも10拠点を構えています。 また、CompTIAはIT技術スキルを認定する「CompTIA認定資格」として、CompTIA A+(IT関連全般)、CompTIA Network+(ネットワーク関連技術)、CompTIA Server+(サーバー関連技術)、CompTIA Cloud+(クラウド関連技術)、CompTIA Security+(セキュリティ関連技術)などの資格を提供しています。
インド、ロシア、中東、ベトナムなどでプログラマが急増中
――プログラマが増えている国と、その特徴を教えてください。
ティボドー氏:プログラマが急増している国としてまずインドが挙げられます。インドのプログラマは決められた仕様に沿ってアプリをきちんと開発するものの、創造性に欠けるという傾向があります。
次に、ロシア、ポーランド、ルーマニア、チェコなどでもプログラマの進出が著しいです。これらの国のプログラマは創造性が豊かで、RubyやPythonなど、オープンソースプラットフォームをよく利用しています。
中東でもプログラマが増えています。特にヨルダンです。ヨルダンのプログラマは、ロシアとインドのプログラマの良いところを併せ持っています。
ベトナムも注目されています。プログラマの性質は、インドに近いように感じます。
――グローバルな視点から日本のプログラマはどのように評価されていますか。
ティボドー氏:日本にはゲームやアニメの伝統があるので、その分野では創造性に富み、他の国のプログラマに先んじていると思います。スマホやタブレットの普及も進んでおり、子どもたちがそういった技術について早くから知ることができます。ただ、もう少し英語力がほしいところです。海外企業とのやりとりには英語をある程度使えなければいけません。
グローバルに活動するには創造性、コミュニケーション能力、デザインがポイント
――プログラマに求められる創造性(Creativity)とは?
ティボドー氏:たとえば、エンタープライズアプリケーション開発では、仕様に準拠してアプリを作るだけでなく、顧客の立場で考え、仕様の検討や提案、ベンチマークの検討、適正な技術の選択などを行います。こういった作業には創造性が必要です。ユーザーの視点から使いやすいインターフェイスを作る際も同様です。指示されたことを唯々諾々とやるのではなく、顧客が納得するにように自発的にいろいろと考え、創造性を発揮できる人が優秀なプログラマといえます。
――オープンソースプラットフォームをよく利用する国のプログラマは、創造性に富んでいるというお話ですが、オープンソースと創造性に関連はあるでしょうか。
ティボドー氏:大学では、古いプラットフォームを使ってプログラミングを中心に教えており、実践的な部分には時間が割かれないため、創造性が育つ余地があまりありません。Ruby、Python、PHPなどオープンソースプラットフォームにはフレームワークがあり、それをいかに効果的に使うかを考えることで、創造性が育つでしょう。
たとえば、Facebookは、PHPで開発されましたが、うまく動いているし、ユーザーインターフェイスもシンプルで使いやすいですね。
――海外市場ではプログラマに対し、技術力以外にどのようなスキルを求められますか。
ティボドー氏:大企業で大勢のプログラマの1人として働くのであれば、まず技術力が求められます。中小企業で顧客と直接対応する機会がある場合は、コミュニケーション能力が大切です。また、利便性を考え、使いやすいインターフェイスを作成するには、デザイン能力が非常に重要になります。最近、技術力が非常に高いのに、デザインには弱いという会社をよく見かけます。デザインが重要なのにと、はがゆく思ってしまいます。