CodeZineで連載『マンガで分かるプログラミング用語辞典』を始め、多数の記事を寄稿いただいている柳井政和氏がついに小説家デビュー! 第23回松本清張賞応募作で最終候補となった「バックドア」が、『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』として、文藝春秋から8月27日に刊行されます。
作品紹介
安藤裕美は、人材派遣会社を経て20代で会社「コードエージェント」を立ち上げ、腕のよいプログラマーを企業に斡旋している。だが、取引先で、自分の会社が送り込んだプログラマーが企業データを暗号化して失踪し、”身代金”7000万円を要求してくるという大事件が起きる。
「電子おくすり手帳」5万人分のデータを人質に取られているため、警察に通報して事件が公になれば会社は社会的信用を失う。極秘の捜査を依頼され、安藤は出資者の東城院加奈子から、補佐役として奇妙な青年を紹介される。鹿敷堂(かしきどう)桂馬。いかにもやる気のなさそうなこのプログラマーに、安藤は苛立ちを覚えるが……。
「ぼくはプログラマーなので、コードで答えさせてもらいます」
「プログラマーという人種はですね。他人とともに、自分も信じない人間なんですよ」
いかにもやる気なさげなプログラマー探偵、鹿敷堂登場! 相棒の安藤裕美をイラつかせながらも、やるときゃやる!
担当編集者より
第23回松本清張賞の最終候補作となり、激論の末、2度の決選投票で受賞作「待ってよ」に僅差で敗れた理系ミステリー。
「探偵役の鹿敷堂がいいキャラクターなので、シリーズ化に挑戦してほしい。プログラマーの世界をもっと読みたいという意見は(選考委員)全員一致した」(石田衣良氏・選評より)
「働くひとたちへの熱い応援の気持ちと、社会やシステムへの疑問と怒りが作品にこめられていて、とても胸打たれた。しかしそれだけではなく、登場人物が魅力的で、読んで楽しい小説!おすすめです!」(三浦しをん氏)
選考委員の選評
「探偵役の鹿敷堂がいいキャラクターなので、シリーズ化に挑戦してほしい。プログラマーの世界をもっと読みたいという意見は(選考委員)全員一致した」(石田衣良氏)
「じつに刺激的だった。理系ブラック社会のありようがリアルに描かれている」(角田光代氏)
「事件の謎とともに、プログラミングを通して男性キャラ達の思考回路を理解していけるところも興味深く、楽しく読めた」(桜庭一樹氏)
「理系ミステリーとしての面白さに加えて、シリーズ物になりうる構えがあるのも好感が持てた」(葉室麟氏)
「私は今回「バックドア」を一番に推した。(中略)過酷な労働を強いられる人々への熱い応援の気持ちと、現状への疑問や怒りが作品にこめられていて、非常に胸打たれた」(三浦しをん氏)
作者紹介:柳井政和(やない・まさかず)
1975年福岡県北九州市生まれ。97年熊本大学理学部生物科学科卒業。ゲーム会社勤務を経て、現在クロノス・クラウン合同会社代表社員として、ゲームやアプリケーションの開発、プログラミング系技術書や記事の執筆をおこなう。著書に『マンガでわかるJavaScript』『プログラマのためのコードパズル~JavaScriptで挑むコードゴルフとアルゴリズム』など、技術書の著書多数。2016年、第23回松本清張賞応募作「バックドア」が最終候補となり、小説家デビュー。
書籍情報
- 書名:『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』(文藝春秋BOOKS)
- 作者:柳井政和
- ジャンル:エンタメ・ミステリ
- ページ数:312ページ
- 判型:四六判
- 発売日:2016年08月27日(土)
- 定価:本体1,500円+税
- ISBN:978-4-16-390508-2
- 表紙:うめ先生(「スティーブズ」「大東京トイボックス」他)
- 帯:三浦しをん先生
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