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SQLiteで“おこづかいちょう”

SQLite、C++/CLI、C#で実用(?)アプリケーションを作る


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SQLiteはSQLServerやOracleなどのデータベースでは"おおげさ"と感じる小規模データを扱うアプリケーションへの組み込みに適しています。C/C++インターフェースを持つSQLiteとC#によるWindows Formsアプリケーションとの間をC++/CLIが仲介します。

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はじめに

 過去の記事で何度かSQLiteをお題に取り上げ、そこでは「SQLiteライブラリ構築法」と「C++/CLIによる.NET用の簡単なラッパー」について解説しました。今回はちょっと趣を変え、SQLiteを使った小さなアプリケーション、"おこづかいちょう"を作ります。小規模とはいえ、実用アプリケーションにかなり近いサンプルとなっています。

よいこのおこづかいちょう
よいこのおこづかいちょう

 "おこづかいちょう"のデータをSQLiteで保持/管理し、SQLiteとC#との間をC++/CLIが仲介します。

SQLiteの下準備

 SQLiteのサイトからソースコードおよびコンパイル済のDLLが入手できます。アプリケーションで利用するにはソースコードをコンパイルしライブラリを作らなければなりませんが、今回は少し楽をしましょう。ダウンロード・ページから、

  • sqlite3_amalgamation-####.zip(ソースコード、ヘッダ、DEFファイル)
  • sqlite3_dll-####.zip(DLL)

 の2つを入手します(####にはバージョン番号が付加されています)。得られたDLLとDEFからインポート・ライブラリ(LIB)を生成しましょう。「sqlite3.dll」と「sqlite3.def」を適当なディレクトリに置き、コマンドプロンプトから、

※1行で実行
lib /VERBOSE /MACHINE:I386 /DEF:sqlite3.def /OUT:sqlite3.lib
 /NAME:sqlite3.dll

 を実行することでインポート・ライブラリ「sqlite3.lib」が生成されます。ユーザーコードのコンパイル時に「sqlite3.h」、リンク時に「sqlite3.lib」、実行時に「sqlite3.dll」が使われることになります。

コンパイル・モード
 ダウンロード・ページで提供されるコンパイル済の「sqlite3.dll」は実行時に「msvcrt.dll」を必要とします。「msvcrt.dll」はXPやVistaの場合OSと共にインストールされています。また、「msvcrt.dll」は32bit-DLLなのでこれをラップするC++/CLIアセンブリも32bit版となります。AnyCPUモードで作成された(C#による)managed-EXEを64bit-Vista上で実行すると32bit版のC++/CLIアセンブリが参照できなくなります。64bit-Vistaでの実行を考慮するなら、C#によるmanaged-EXEをI32モードで生成するか、もしくはsqlite3のソースコードを64bitで再コンパイルし、参照されるDLLを64bitにそろえる必要があります。

SQLiteのキホン

 SQLiteによるアプリケーションで最小限必要なSQLite-APIのセットはそれほど大きなものではありません。主要なAPIを列挙すると、

  • データベースのopen/close
    • sqlite3_open
    • sqlite3_close
  • SQL文の実行
    • sqlite3_prepare_v2
    • sqlite3_step
    • sqlite3_finalize
  • カラム値のバインドと取得
    • sqlite3_bind_xxx
    • sqlite3_column_xxx

 この程度です。

 C/C++からSQLiteを利用する際ソースコードに必要なのは#include<sqlite3.h>の一行だけ。リンク時には前章で生成した「sqlite3.lib」をプロジェクトに追加してください。

プロジェクト・プロパティ
プロジェクト・プロパティ

 それではSQLiteのC/C++APIのキホンについて、順に説明していきましょう。

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επιστημη(エピステーメー)

C++に首まで浸かったプログラマ。Microsoft MVP, Visual C++ (2004.01~2018.06) "だった"りわんくま同盟でたまにセッションスピーカやったり中国茶淹れてにわか茶...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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