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Silverlight 3がやってきた

Silverlight 3徹底入門(1)

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 Silverlight 2が2008年10月にリリースされてから9か月、2009年7月に待望のSilverlight 3がリリースされました。この連載では、Silverlight 3で提供された機能を適宜コードをあわせながら解説していきます。連載の第1回である今回はこれまでのSilverlightの振り返りと、Silverlight 3の開発環境を作成する上での注意点の解説を行います。

目次

はじめに

 Silverlight 2が2008年10月にリリースされてから9か月、2009年7月に待望のSilverlight 3がリリースされました。この連載では、Silverlight 3で提供された機能を適宜コードをあわせながら解説していきます。

 連載の第1回である今回はこれまでのSilverlightの振り返りと、Silverlight 3の開発環境を作成する上での注意点の解説を行います。

対象読者

 Silverlightに興味を持っている方。

Silverlight誕生からSilverlight 3まで

 Silverlightは動画や音楽の再生、ベクターグラフィックを利用した画像の表示などの機能を持つマイクロソフトが提供するマルチブラウザ、マルチプラットフォームのRIA(Rich Interactive Applications)実行環境です。

 2007年9月にリリースされたSilverlight 1から、先日2009年7月にリリースされたSilverlight 3までの変遷を軽く思い返してみましょう。図1はSilverlightの各バージョンで追加された代表的な機能です。

 以前のSilverlightについては、次の連載を参照してください。

図1 Silverlightの各バージョンで追加された代表的な機能
図1 Silverlightの各バージョンで追加された代表的な機能

Silverlight 1

 2007年9月にリリースされたSilverlight 1はコードネームWPF/Eから正式にSilverlightの名前を採用した最初のバージョンです。

 日本語が利用できない、ロジックの記述にJavaScriptしか利用できないと少し制約ははありましたが、XAMLを利用したUIの構築、高品質なビデオ再生、クロスプラットフォーム、クロスブラウザというSilverlightの基本的な機能を実装したバージョンです。

Silverlight 2

 2008年10月にリリースされたSilvelright 2は、.NET Frameworkの主要言語であるC#やVisual Basicをサポートしただけではなく、動的言語であるIronRubyやIronPythonと言った多くのプログラム言語をサポートすることで、開発者にその門戸を大きく広げました。

 またアプリケーションの開発に欠かせないリッチなコントロールの追加や、著作権を考慮したDRM(デジタル著作権管理)動画の再生など重要な機能が多く実装され、実際に業務アプリケーションの基盤として採用されることが多くなりました。また、DeepZoomやスムースストリーミングと言った新しい表現力を持った技術も登場しました。

 この頃からSilverlightの高品質な動画再生機能に注目が集まり、Yahoo! Japan、GyaOといった大手の動画再生サイトでSilverlightの採用が決定しました。Silverlightでの高品質放送としては、アメリカ大統領の就任式やマイケルジャクソンの告別式、7月22日の硫黄島での皆既日蝕などの放送がSilverlightで行われ話題になりました。

Silverlight 3

 2009年7月にリリースされた最新のSilverlight 3では、1、2で築き上げたアプリケーションの作成基盤をさらに発展させ、Silverlightのブラウザ外での実行、バリデーションやバインディングの強化、Perspective3Dのサポート、SEOへの対策など実際にSilverlightを使用してアプリケーションを作成するための多くの仕組みが実装されました。

 また、開発環境においてもスケッチフローの採用、デザイン時のサンプルデータバインディング、業務アプリケーションのためのフレームワークの提供など多くの改良が加えられています。

 表1にSilverlight 3で追加された機能の一覧を示します。

表1 Silverlight 3で追加された機能の一覧
分類 機能
メディア ライブスムースストリーミング
H.264/AACへの対応
独自メディア形式の拡張
開発生産性 新しいコントロールの追加
ナビゲーション(SEO、ディープリンク)
.NET RIA Services フレームワーク
アクセシビリティの改善
リソースディクショナリのマージ
UIバインディング検証
アセンブリのキャッシュ
グラフィクス 擬似的な3Dグラフィック
ピクセルシェーダー
ビットマップAPI
GPUアクセラレーション
文字レンダリングの改善
ブラウザ外での実行 ブラウザ外でのアプリケーション実行
簡単なインストールと自動更新
ネットワークの接続判定
デザインツールの進化 スケッチフローの採用
PSD,AI形式ファイルのインポート
ビヘイビアを利用した対話的なデザイン
サンプルデータを利用したデザイン
Team Foundation Server との統合
Silverlightのシェア

 Silverlightが登場してから2年ほどになりますが、現在のSilverlightのシェアはどのぐらいなのでしょうか。シェアの推移に関してはこれといった資料がないのですが、Jストリームによるブラウザ、映像アプリケーションのプラグイン調査では、2009年2月時点でインターネットを利用するPCのSilverlight導入率は24.33%であるという調査結果が公開されています。

 また、調査機関が変わるので目安程度にしかなりませんが、Rich Internet Application Statisticsによる2009年9月28日現在の最新データによると日本でインターネットを利用する端末の31.4%にSilverlightがインストールされていることを確認することができます。

 つまり現在では、インターネットを利用する端末の3台に1台はSilverlightがインストールされているということが確認できます。


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修正履歴

  • 2009/10/28 19:30 Silverlight Toolsのインストール時の注意について追記

著者プロフィール

  • 山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

    静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for ASP/ASP.NET。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。 主な著書に「入門シリーズ(サーバサイドAjax/XMLD...

  • WINGSプロジェクト かるあ (杉山 洋一)(カルア(スギヤマ ヨウイチ))

    <WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2017年5月時点での登録メンバは52名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂き...

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