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Mac OS Xマシン一台でVMを使ってC++クロス開発環境を構築してみる

C++Builder XE3+FireMonkeyでネイティブクロス開発を実践

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FireMonkeyでMac向けクロス開発

ターゲットプラットフォームの追加

 このアプリケーションをMac向けにする作業は簡単です。プロジェクトマネージャで、「ターゲットプラットフォーム」を右クリックして、[プラットフォームの追加…]を選択します。

 ここで、「OS X」を選択して[OK]ボタンをクリックします。

図12 ターゲットプラットフォームの追加

リモートデバッグの設定

 もう一つ行っておく必要があるのは、リモートデバッグの設定です。C++BuilderのWindows IDEで作成したMac OS X向けアプリケーションをデバッグ実行するには、リモートデバッガを使います。Windowsマシンから別のMacマシンに対してアプリケーションを転送し、デバッグする場合はもちろんですが、VMを使った一台の環境でも同様です。

プラットフォームアシスタントサーバーの設定

 リモートデバッグで仲介役となるのは、プラットフォームアシスタントサーバーと呼ばれるブリッジです。プラットフォームアシスタントサーバーは、Windows上のC++Builder XE3から、Mac向けのアプリケーションパッケージをMac上に転送し、デバッグも含めた実行を行います。

 プラットフォームアシスタントサーバーは、次のようにセットアップします。

 C++Builder XE3のインストールフォルダ内の

<Embarcadero>\PAServer\setup_paserver.zip

をMac上にコピーし、展開してインストーラを実行します。すると、

/Users/<username>/Applications/Embarcadero/RADPAServer/10.0/

内にプラットフォームアシスタントサーバーの実行ファイル paserver がインストールされます。

 Mac上でターミナルを開き、以下のコマンドで paserver を起動します。

cd /Users/<username>/Applications/Embarcadero/RADPAServer/10.0/
./paserver

 このときパスワードの入力を促されますが、空のままで大丈夫です。これにより、ポート番号64211(デフォルト)を開きます。

 別のターミナルを開き、MacマシンのIPアドレス(IPv4のもの)を確認します。例えば私の環境(Parallels Desktop for Mac)の場合、ifconfig vnic0 を実行すると、ゲストOSと通信できるIPアドレスは 10.211.55.2でした。

図13 IPアドレスを確認する

リモートプロファイルの作成

 では、作成したリモートデバッグ環境をIDEに登録しておきましょう。プロジェクトマネージャで、[ターゲットプラットフォーム」下にある「OS X」を右クリックし、[リモートプロファイルの割り当て...]を選択します。

 表示された「'OS X'プラットフォーム用 リモートプロファイルの選択」ダイアログで、[追加…]ボタンをクリックすると、「リモートプロファイルの作成」ウィザードが表示されます。

図14リモートプロファイルの作成

 次のように設定します。

リモートプロファイルの作成 - Page 1
項目
プロファイル名 MLion
プラットフォーム OS X

 [次へ]をクリックして、ホストマシンの情報を設定します。

リモートプロファイルの作成 - Page 2
項目
ホスト名 確認したMacマシンのIPアドレス(私の場合は10.211.55.2)
ポート番号 64211
パスワード (空欄)

 [接続テスト]ボタンをクリックすると、Mac上のプラットフォームアシスタントサーバーと接続できることを確認します。

図15 接続テスト

 接続を確認できたら、[次へ]ボタンを押し、最後に[終了]ボタンをクリックしてウィザードを終了します。ダイアログボックスに戻ったら、[OK]ボタンをクリックして、設定を完了させます。

必要なファイルのインポート

 次に、Macに依存するC/C++向けヘッダファイルやライブラリをC++Builder XE3側にインポートします。

 プロジェクトマネージャで、「ターゲットプラットフォーム」下の「OS X」を右クリックし、[プロファイルを編集…]を選択します。すると、「オプション」ダイアログの「リモートプロファイル」ページが開きます。

図16 リモートプロファイルオプション

 [ローカルファイルキャッシュの更新]ボタンをクリックし、Mac上からビルドに必要なファイル群をインポートします。処理が終了したら[OK]ボタンを押して、オプションダイアログを閉じます。

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まとめ

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EDN編集部(イーディーエヌ編集部)

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