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Android Studio 3.3 の新機能

Android Studio 3.3で自然な画面遷移を実装する

Android Studio 3.3 の新機能 第3回

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 ナビゲーションエディタの使い方を覚えることで、ナビゲーションアーキテクチャコンポーネントをGUIから設定することができます。その一方で、実用していく上では、ナビゲーションアーキテクチャコンポーネント自体の使い方にも、ある程度習熟する必要があります。今回は、ナビゲーションアーキテクチャコンポーネントの実用的な設定を中心に解説します。

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対象読者

  • 画面遷移に慣れていないAndroid初学者
  • 画面遷移にstartActivityしか使ったことがないAndroid経験者

前提環境

 筆者の検証環境は以下の通りです。

  • macOS Mojave 10.14.3
  • Android Studio 3.3.2

画面遷移らしくする

 第1回で、簡単な画面遷移を作りました(サンプルコードの「FirstStep」プロジェクト)。あのサンプルには、残念なところがありました。ヘッダーのタイトルを変える方法がなかったことと、画面が横にスライドするような遷移アニメーションがなく、パッと切り替わってしまうことです(図1)。

図1:FirstStepサンプルの残念な点
図1:FirstStepサンプルの残念な点

 ヘッダーのタイトルや遷移アニメーションは、アプリが現在提供している機能が切り替わったことを、視覚的にユーザーに伝える上では、とても有用なものです。アクティビティによる画面遷移であれば、自動で管理されていた部分でしたが、現在のナビゲーションアーキテクチャコンポーネントでは、自分で管理することになっています。

 本記事ではこの2点を解決して、画面遷移らしい動きができるようにしましょう。

ヘッダーのタイトルを変更する(1)

 Androidのヘッダーといえば ツールバー(Toolbar)です。従来は各アクティビティに配置することが多かったツールバーですが、ナビゲーションアーキテクチャコンポーネントの文脈では、そうではありません。

 ナビゲーションアーキテクチャコンポーネントとツールバーを連携する場合は、アクティビティの中、 NavHostFragmentの真上に配置します(図2)。

図2:ツールバーを追加する場所
図2:ツールバーを追加する場所

 アクティビティの主導で、 NavHostFragmentの中での出来事を検知して、ツールバーの状態を切り替えていく方式になります。実装済みのものをサンプルコードの「SecondStep」プロジェクトに配置したので、参考にしてください。

ツールバーを配置する

 では、実装の仕方を解説します。まずは、 res/activity_main.xmlでレイアウトエディタを開きます。

 パレットの Containers > Toolbarにツールバーがあるので、これをコンポーネントツリーにドラッグ&ドロップで配置します。場所は、 ConstraintLayoutfragmentの間( ConstraintLayout内の一番上)です。

図3:コンポーネントツリーにツールバーを配置
図3:コンポーネントツリーにツールバーを配置

 ただ配置しただけでは、既に画面いっぱいに広がる設定をしてあるフラグメント( NavHostFragment)と重なってしまうので、調整が必要です(図4)。なお、 fragment_first_screen.xmlのプレビューが見えていますが、これはAndroid Studioが親切で見せてくれているだけで、ここでボタンのレイアウトを操作できるわけではありません。

図4:フラグメントとツールバーが重なる
図4:フラグメントとツールバーが重なる

 ツールバーの位置としては間違っていないように見えるので、フラグメントの制約を調整しましょう。コンポーネントツリーやデザインエディタでフラグメントを選択すると、左下に制約を解除するボタンが現れるので、これをクリックして、フラグメントの制約を解除します(図5)。

図5:フラグメントのレイアウト制約を解除する
図5:フラグメントのレイアウト制約を解除する

 解除したら、制約を付け直します(図6)。フラグメントの上端とツールバーの底を合わせ、他の辺は画面の外枠に合わせます。その際、マージンや layout_widthlayout_heightが自動で設定されることがありますが、すべて 0に設定してください。

図6:フラグメントのレイアウト制約を設定し直す
図6:フラグメントのレイアウト制約を設定し直す

 同様に、ツールバーにも制約を付けます(図7)。こちらは上端、右端、左端をそれぞれ画面の外枠に合わせればOKです。

図7:ツールバーのレイアウト制約を設定する
図7:ツールバーのレイアウト制約を設定する

 これで、レイアウトへのツールバーの配置はOKです。

ナビゲーションアーキテクチャコンポーネントのライブラリを追加する

 次の作業に移る前に、追加でライブラリが必要になりますので、appモジュールのbuild.gradle(図8)を編集します。

図8:appモジュールのbuild.gradle
図8:appモジュールのbuild.gradle

 すでに、 res/navigation/nav_graph.xmlを作ったときの手順で、 android.arch.navigation:navigation-fragmentの行が追加されていましたが、ここに、 android.arch.navigation:navigation-uiの行を追加します(リスト1)。

[リスト1]app/build.gradle
dependencies {
  // 省略
  implementation 'android.arch.navigation:navigation-fragment:1.0.0-beta02'
  // ↓この行を追加する
  implementation 'android.arch.navigation:navigation-ui:1.0.0-beta02'
}

 バージョンの部分(リスト1では 1.0.0-beta02)は、 navigation-fragmentのバージョンと合わせます。

 この編集が終わったら、Android Studioの右上の  のボタンを押して、ライブラリをロードします。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 中川幸哉(ナカガワユキヤ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/11528 2019/05/21 11:00

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