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イベントレポート

iPhoneゲームのトップクリエーターが語る
「iPhoneアプリ成功の方程式~企画編」

CodeZine編集部主催「iPhoneゲームアプリ開発セミナー 人気ゲームアプリから見る3つの成功ポイント」レポート


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 2010年9月15日、東京・新宿の翔泳社セミナールームにて、CodeZine編集部主催のセミナー「iPhoneゲームアプリ開発セミナー 人気ゲームアプリから見る3つの成功ポイント」が開催された。本連載では、セミナーの内容を「企画編」「プロモーション編」「開発・製作編」の3回に分けレポートする。

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はじめに

 2010年9月15日、東京・新宿の翔泳社セミナールームにて、CodeZine編集部主催のセミナー「iPhoneゲームアプリ開発セミナー 人気ゲームアプリから見る3つの成功ポイント」が開催された。本連載では、セミナーの内容を「企画編」「プロモーション編」「開発・製作編」の3回に分けレポートする。

連載記事一覧

 同セミナーの講師は、株式会社ゼペット代表の宮川義之氏が務めた。宮川氏はかつて株式会社スクウェアで『聖剣伝説シリーズ』や『クロノクロス』『Final Fantasy XI』などのヒット作の開発を担当した後、2008年にiPhone/iPod touch用ゲームの企画・開発を行う会社「株式会社ゼペット」を設立。これまでに『ポケットベガス』『iYamato』など数々のヒット作を世に送り出している。

株式会社ゼペット代表 宮川義之氏
株式会社ゼペット代表 宮川義之氏

 そんな同氏が、iPhoneアプリで成功するためのヒントを伝授するとあって、同セミナーには多くのiPhoneアプリ開発者が参加した。本稿では連載第1回目として、「iPhoneゲームアプリ開発セミナー 人気ゲームアプリから見る3つの成功ポイント~企画編」の内容をかいつまんで紹介したいと思う。

セミナー会場の様子
セミナー会場の様子

「セッション1:企画編」ランキングトップをとるために「本気」の勝負を!

 同セミナーは、「iPhoneで勝負!! 企画編」「iPhoneで勝負!! プロモーション編」「iPhoneで勝負!! 開発・製作編」という3つのセッションに分けて行われた。通常、開発者向けのセミナーというと、設計やプログラミングの話が中心になりがちだが、宮川氏は同セミナーの講師を引き受けるに当たり、まずは企画とプロモーションの話をする必要性を強く感じたという。

 「今回お話しするプレゼンテーションには『iPhoneで勝負!!』というタイトルを付けたが、勝負するということは、ビジネスとしての勝算を立てるということ。事前にセミナー参加者を対象に行ったアンケートでも、『どうしたら売れるのか?』という質問が一番多かった。従って、まずは『どういう戦略を立てれば勝算が立つのか?』という所から話す必要があると思った」(宮川氏)

 現在、株式会社ゼペットに所属する社員は、宮川氏ただ1人である。しかしそのような小規模体制でも、iPhoneアプリのスケールであれば年間数本のゲームアプリをリリースし、かつ大手ゲーム会社とも互角に渡り合っていくことが可能だという。しかし、ただ単にアプリを開発してリリースするだけではビジネスとして成り立たない。「成功の裏には常に、企画とプロモーションの地道な努力の積み重ねがある」と宮川氏は言う。

iPhoneアプリ市場の現状

 iPhoneアプリ市場の現状を見渡してみると、2010年9月現在で、約25万種類ものアプリがApp Storeに登録されている。これだけ膨大な数のアプリがひしめく中でヒット作を生み出すのは、まさに至難の業だといえよう。こうした状況を前にして、「ヒット作を狙って出すなど、ほとんど不可能なのではないか……」と、はなからあきらめてしまう人も多いようだ。特に、企業でアプリの企画や開発に従事している人は、そのような発想に陥りがちだ。「しかし、」と宮川氏は言う。

 「そこで思考停止してチャレンジをあきらめてしまうのでは、あまりにもつまらない。そこで、『こうすれば採算がとれるのではないか?』という事業採算性を考えることが初めの第一歩になる。2年前にApp Storeに登録されていたアプリの数は2万~3万ほどだったが、そのときも同じように『これだけ膨大なアプリがある中で……』といわれていた。実際には数多くのヒット作が生まれているわけで、それらに共通する成功要因を何かしら抽出できるはず」(宮川氏)

 成功例を参考にしながら、「これなら勝算があるのではないか?」「こういう仕掛けなら長期的に多くのユーザーに浸透していくのではないか?」という要素やアイデアをまずは見つけ出す。そして、そのアイデアを製品化してリリースするために「いくらコストが掛かるのか?」という具体的な数字レベルの採算性まで落としていくのだ。

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/5480 2010/10/07 12:37

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