IT機器が高度にネットワーク接続された我々の社会では、日常的に情報が発信・消費されています。情報社会ではネットワークは不可欠であり、災害時には情報収集と発信が行える心強いツールです。ここでは災害時にITだからできるコトについて学んでいきます。
ゲリラ豪雨に対するリアルタイム画像検索の有効性
今年の夏も数多くの突発的な豪雨や長雨が続きました。私も1つのゲリラ豪雨が発生した場所へ出張で赴くことがありましたので、体験談を共有致します。
2013年8月9日、翌日に盛岡市出張を予定していたところ、気象庁より非常に激しい豪雨が東北地方を襲うとの予報が出されていました。こういった災害時には数多くの情報がSNS上に発信されますので、今回はそれら情報をリアルタイム検索を行い収集し、どのような情報が得られるか調査してみました(参考:さくらインターネット研究所ブログ)。
しかし災害時にはデマ情報も多く確認されますので、情報収集には注意が必要です。今回は視覚情報からゲリラ豪雨の影響が出ている地域を推定することに特化して調査を行っています。結論から言えば、収集された画像データより被害程度と地域の推定をすることはできました。しかしながら土地勘のない場所では、やはり地名や状況がよく飲み込めないという点も強く感じました。私の8月9日の行動の全天周写真を保存していましたので、そちらもご覧ください(図2)。
今回はゲリラ豪雨に見舞われた地域を気にする方も多かったのではないかと思い、全天周写真はTwitterを通じて即時共有しています。
災害現場では、まず自身の安全を確保できる状態にした上で行動することが求められます。全天周写真や位置情報を事前に公開共有すると、これから現場へ赴こうとする第三者を間接的に助ける可能性もありますので、皆様にもご理解いただければと感じています。実際に私は、今回の水害で現地へ赴く際に数多くのSNS上に存在する画像情報から被害状況の推定を行い、無事にワークショップへ参加することができました(参考:さくらインターネット研究所ブログ)。
災害時において、情報は間接的にも直接的にも人を助けることにつながります。読者の皆様においても、この点をぜひご理解いただければ幸いです。
次回も災害コミュニケーションの実例について、私が体験した災害から紐解くことができればと思います。