「プロダクト」への期待が高まっている今は組織の変革や見直しの好機
――アジャイルなプロダクト開発を長年実践されてきた方の知見には、私も大変共感でき、参考になりました。話題は尽きないのですが、そろそろお時間のようです。最後に、今、さまざまな立場でプロダクト開発、アジャイル開発に取り組んでいる方にメッセージがあればお願いします。
山崎:幸い今は、エンジニアだけでなく、経営陣、営業部門、カスタマーサクセス部門といったビジネスサイドの人々も「顧客に対する価値提供の方法論」や「そのために持つべき価値観」としてのプロダクト思考に関心を持ちはじめています。ビジネスの優位性を高めるために、ユニークなプロダクトが差別化のポイントになるという期待が高まっているのです。合わせて、ユーザー側のIT化も進んでいて、よりITプロダクトに触れやすい環境が整っています。
これからの時代、本当の意味での「エンジニア」であれば、より多くの人の困りごとを解決できるプロダクトを世に出し、大きな価値を生み出せる時代になるはずです。ぜひ多くの人に、そうした意識を持ってもらい、プロダクト開発の腕を磨いてほしいですね。
市谷:今は、プロダクト開発の現場やプロダクトマネージャーだけでなく、経営やビジネスサイドの人たちにもさまざまな「迷い」があると思います。不確実性が高い中で、何をどう作っていけばうまくいくのかというのは、本当に悩ましい問題です。そうした状況の中で、今日、山崎さんにお話しいただいたような「顧客の困りごとを解決するために、工夫を学び続けること」を実践するというのは、ものづくりを続けていく上での、一つの拠り所になるのではないでしょうか。
不確実な状況だからこそ、まずはやってみて、その結果から、何が起きたか、自分たちの状態がどうなったかを知る。そして、学んだことを次のアクションに生かしていく。この繰り返しから優れたものが生み出せるというのは、すでに「検証済み」の事実でもあるので、安心して実践していってほしいですね。こうした概念はアジャイル開発の文脈では、昔から言われてきたことですが、プロダクト開発に対する社会的な期待が高まっている今だからこそ、それぞれの現場でそれができているのかを、改めて振り返ってみることが必要なのではないかと思いました。
――本日はどうもありがとうございました。
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