プロダクトマネージャー(PM)はビジネス、開発、UXなど学ぶことが多く、常に学習と実践の間を行き来する必要がある。書籍で学んだこともいざ実践してみるとうまくいかないなど、現場での課題も多いが、社内に相談できる人が少なく孤独にもなりがちだ。5月20日に開催したProductZineウェビナー「よりよいプロダクトを作るためのコミュニティの活用法」では、プロダクトづくりの相談をできる場として発足した「プロダクト筋トレ」と、日本最大級のプロダクトマネージャー向けコミュニティ「PMJP」から、異なるバックグラウンドを持つ4名のプロダクトマネージャーが登場。コミュニティ活用についての意見交換がなされた。イベントレポートの後編となる本稿では、プロダクトづくりの現場やキャリアのリアルな悩みが寄せられたQ&Aと、当日答えきれなかった質問への回答を紹介する。
Q&A目次
プロダクトマネジメントとシステム開発の違い
Q 自社プロダクトは、受注系のシステム開発と大きな違いを感じます。プロダクトマネジメントを行うにあたり、特に受注型システムと大きく意識を変えなければいけないポイントをお教えください。
大倉:受託の場合でも、エンドユーザーとお客さまの事業戦略を意識して提案できるような立場ならあまり違いはないです。開発、ビジネス、顧客のトライアングルを考慮した提案です。逆に言うと、それができていないと全然話が通じません。受託系の会社でも、プロダクトマネジメントを行っているところもあります。
Q 事業会社のIT子会社にいて、親会社がプロダクト改善の発案をし、当社がディレクションをしています。ディレクターの立場から、親会社のコンサルティングを行うプロダクトマネージャー的な視点が必要と感じています。機能会社の立場からプロダクトマネージャー的な役割をボトムアップして、事業会社と機能会社が二人三脚でプロダクトをグロースするために重要と思われることはありますか?
大倉:事業責任者にあたる人の信頼を得るのが重要です。開発の視点だけでプロダクトを見て事業を理解しようとするとなかなかうまくいきません。事業がどんな要素で構成されているかを考え、事業責任者の気持ちをくみ取っていかなければなりません。例えば、ECサイトなら、システムだけでなく仕入れやロジスティクスなどを見ていくと、事業全体での問題点や現在取り組むべき優先事項が明らかになります。ですから、ユーザー企業へのヒアリングは重要です。
コミュニティについて
Q プロダクトマネージャーでなくてもコミュニティに参加できますか?
小城:プロダクト筋トレはプロダクトづくりに関わる人は誰でも入ることができるコミュニティです。これからプロダクトマネージャーになりたい方にこそ来ていただいて、今後どうすればいいかをご一緒できればと思っています。
大倉:PMJPでは、プロダクトマネジメントに興味がある方は誰でも参加してほしいので、ぜひ参加してみてください。
Q コミュニティで自社の話を相談するときに、気をつけていることなのありますでしょうか(企業秘密に気をつけるなど)?
小城:プロダクト筋トレでは、コミュニティのガイドラインとして「機密事項の共有はNG」と明確に定めています。
例えばPRDの議論をするときは有名なプロダクトに1つ機能を追加するときにどうするか?をPRDに書いて持ち寄るといった方式をとって、会社とは切り離して一人のプロダクトを作る個人としての意見をもとに議論ができるようにお願いしています。
大倉:reWorkの輪読会だと、「心のNDAを結びましょう」って毎回会の冒頭に進行の人が説明するようにしてました。新しくコミュニティを始めるならまずはガイドラインなどはガチガチにせず、社会人として機密情報NGは当然といったレベルから始めて、徐々に治安維持のためにルールを増やしていくのが個人的にはよいと思いますね。
Q 「ちょっと敷居が高いかな……」と感じる方も入ってきやすいコミュニティの雰囲気を出すために、どのような工夫をされているでしょうか?
小城:プロダクト筋トレでは、コミュニティにいらっしゃる方が皆さん暖かく、Slackに何か投稿されて誰も反応しないということがほとんどありません。これは運営の誰がリアクションをつけて回っているわけではなく、参加される方が自然とそうしてくださっているので、大変ありがたく感じています。
ほかにも、Zoomで実施する勉強会ではビデオもマイクもOFFでのいわゆるROM専での参加も問題ないとしたり、会の最初に自己紹介の時間を用意したり、勉強会ごとに誰でも参加しやすい空気を作るために工夫して実施していただいています。
また、私が運営として気をつけているのは、議論が「ヒト」ではなく「コト」から始まる場づくりです。「あの人の話を聞きたい」ではなくて「〇〇について興味がある人が集まる」場とすることで、同じゴールを持っている人が集まって対等に議論できることは心がけています。
しかしながら、ほぼ全員がこのコミュニティで初対面なので「内輪」はないはずなのですが、最近「内輪感を感じる」という声があるのも事実ですので、より誰もが参加しやすい場を用意できるようにすることが私の課題です。
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...
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