CPO協会では、プロダクト開発に携わるCPO(Chief Product Officer)、VPoP(VP of Product)、プロダクトマネージャーなどを対象に、プロダクト開発における国内外の事例や、プロダクト開発に取り組む企業の知見を発信することで、企業内でプロダクトをリードする人材を育成し、日本のプロダクトづくりを強化することを目指す。
元Salesforce Japanプロダクトマネージャー統括のKen Wakamatsuを代表理事に、SmartHR、メルペイ、Sansan、ビズリーチ、XTalent、ラクスル、freeeといった国内をリードするソフトウェア企業の製品責任者が理事として参画。
具体的な活動としては、以下の3点を予定している。
(1)メディア運営
海外プロダクトをけん引するキーパーソンへのインタビュー記事を、月1~2本掲載予定。2月中に1本目の記事を公開予定。
(2)イベント運営
国内外のCPO、プロダクトマネージャーが登壇し、交流する場を作る。6月に第1弾のオンラインイベントを実施予定。
(3)調査レポートの発行
プロダクト開発に関する意識調査を実施。人材への投資や役職の設置状況などを調査発表予定。
設立の背景として、ソフトウェア業界で世界最大のシェアを誇るアメリカでは、CPOやVPoPといったプロダクトに対して責任を持つ人材が組織に存在し、中期的な目線でプロダクトの設計を行っている一方、日本のエンジニア業界はこれまでSIerによる受託開発が中心だったこともあり、プロダクトそのものに責任を持つ人材の必要性が語られてこなかった。また、プロダクト開発に関する海外の最新の情報に触れる機会が少なく、刺激を受けにくい環境にある。それらの結果、日本では、そういったプロダクトづくりに関するノウハウや知見をもった人材が不足している。
代表理事のKen Wakamatsu氏は「グローバルで通用するサービスは、世界中のユーザーが使いやすいと感じるものである必要がある。エンジニアやデザイナーの能力を生かし、グローバルのベストプラクティスを理解して、プロダクト全体を設計しリードする人材が必要です」と述べ、そのために「日本に海外の知見や事例を届け、プロダクト作りに関わる人々がアイデアを交換できる場を作ることで、日本のプロダクトをグローバルで通用するものに引き上げるサポートがしたい」という想いから、CPO協会の設立に至ったと経緯を語った。
CPO協会理事の一人、SansanのCPO 大津裕史氏は、日本のソフトウェアプロダクトの「市場」「人材」「情報」の3点を見ると「市場は大きく伸びているが、プロダクトをリードする役割を置いていない企業が3分の1ほど存在する」ことを紹介。「ニーズがある一方で、サービスを提供する側の人材投資や組織体制が追い付いていない」と指摘した。
CPO協会では、こういった課題に向き合い、プロダクトマネジメントの「人材」を育成し「情報」を流通させるために、活動を行っていくとした。
また、CPO協会の理念に賛同し、今後、CPO協会の行う活動についてさまざまな面でサポートする協力会社として、クアルトリクス合同会社、株式会社グッドパッチが参画している。